WEDGE REPORT

2020年11月3日

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2日、フロリダ州マイアミのオーパ・ロッカ・エグゼクティブ空港で行われたトランプラリー。トランプ大統領の演説を聞く熱心な支持者(REUTERS/AFLO)

 トランプ大統領の再選か、バイデン前副大統領の政権奪取か。米大統領選は3日、支持率で後塵を拝してきたトランプ氏が土壇場で猛追を見せる中、投票日を迎える。前回トランプ氏が逆転勝利したのと同様、予断を許さない状況だが、勝敗はつまるところ激戦州フロリダの帰すうに掛かっている。最もあり得るシナリオを占った。

トランプ氏、フロリダ落とせば絶望

 ワシントン・ポストやニューヨーク・タイムズなどの米メディアや複数の選挙分析サイトによると、トランプ氏は激戦6州といわれる南部フロリダ、ノースカロライナ、東部ペンシルベニア、中西部ミシガン、ウィスコンシン、西部アリゾナで激しく追い上げ、1日現在、6州の平均支持率で「3.2ポイント差」(リアル・クリア・ポリティクス)まで迫った。

 10月中旬の時点でこれら激戦州のバイデン氏との支持率差は5ポイント程度開いていたが、積極的な遊説を重ね、「誤差の範囲」(専門家)にまで差を詰めた。こうした中で、トランプ氏が絶対に落とせないのがフロリダ州だ。大統領選挙人はニューヨーク州と同数の全米で3番目に多い29人。

 フロリダとアリゾナは他の激戦州と比べると、支持率はほぼ互角。トランプ氏の勝利を予想している「トラファルガー・グループ」の分析では、トランプ氏が3ポイント弱優位に立っている。同グループは、激戦州ではウィスコンシンを除く5州でトランプ氏がリードしている、としている。主要な十数社の世論調査でこの半年、トランプ氏が優勢と一度でも予測したのは同グループの他は一社のみだ。

 激戦州を除くトランプ氏の基礎票は前回、大差で勝った中西部のアイオワ(選挙人6)、オハイオ(同18)両州を今回も獲得すると仮定して204人。これに激戦州で比較的勝つ確率の高いフロリダ、アリゾナ(選挙人11)、ノースカロライナ(同15)を加えると、259人となり、過半数の270人を獲得するためには、残り11人が必要だ。

 トランプ氏としては、これにペンシルベニア州(同20)、ないしはミシガン州(同16)を制すれば、勝利できることになるし、ウィスコンシン州(同10)のみの獲得でも269人で、同点に持ち込むことが可能だ。無論、フロリダ州で負けても、前回同様、ペンシルベニアなど他の激戦州を軒並み制すれば、270人を上回り勝つことはできる。

 だが、現状では6ポイント以上の差を付けられているミシガン州やウィスコンシン州を含め、フロリダ以外の全ての激戦州で勝利するのは極めて困難だ。つまり、「フロリダを落とせばゲーム・オーバー」(アナリスト)になる可能性が強いと言わざるを得ない。いかにフロリダ州がトランプ氏にとって死活的であるかが分かるだろう。

バイデン氏、3ポイント失っても優位変わらず

 バイデン氏の場合はどうか。同氏の基礎票を前回のヒラリー・クリントン氏が獲得した232人とした場合、全米の平均支持率がそのまま選挙結果に反映されれば、楽に逃げ切ることができる。激戦州のうち、仮にフロリダとアリゾナ、ノースカロライナの3州でトランプ氏に競り負けたとしても、残りのペンシルベニア、ミシガン、ウィスコンシンの3州で勝てば、獲得選挙人数は278人で当選となる。

 トランプ氏の猛追を受けているものの、「リアル・クリア・ポリティクス」によると、バイデン氏はペンシルベニア州、ミシガン州、ウィスコンシン州で、それぞれ4.3、6.1、6.8各ポイントの差を付けており、大接戦のフロリダ州やアリゾナ州で負けたとしても、なお優位にあることは間違いない。

 バイデン氏がフロリダ州で勝った場合、獲得選挙人数は261となり、後は残りの激戦州の1州でも制すれば、勝利となる。また、現在の平均支持率が実際の投票で3ポイント、トランプ氏に傾いたとしても勝てる見通しで、バイデン氏の優位は揺るがない。

 フロリダ州での勝負は前回、トランプ氏がクリントン氏を1.2ポイント差で振り切った。トランプ氏の勝因としては、態度未決定だった無党派層が土壇場でトランプ氏に大量に流れ、都市郊外に住む白人男女、高齢者からの支持を受けた。しかし、フロリダ大学のダニエル・スミス教授によると、高齢者は今回、トランプ氏の新型コロナウイルス対策に批判的だという。

 また別の調査によると、白人の大卒女性は前回、60%がトランプ氏を支持し、クリントン氏支持は37%しかいなかった。今回は64%がバイデン氏を支持、トランプ氏支持は35%にとどまっている。バイデン氏の不安はヒスパニック層に弱いとされるところだろう。同州ではすでに700万人(前回の約80%)を超える有権者が期日前投票を終えていると伝えられている。

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