米大統領選挙は13日、最後まで未開票だった南部ジョージア州をバイデン前副大統領が制し、獲得選挙人を306人として当選にダメ押しした。トランプ大統領は232人にとどまった。トランプ氏は依然敗北を認めず、法廷闘争を続ける構えだ。だが、各州で訴えが立て続けに退けられた上、訴訟を担当した法律事務所も撤退を決めるなどトランプ氏の抵抗に限界が近づいている。
大手代理人が訴訟から撤収
選挙調査専門の「エジソンリサーチ」が激戦となっていたジョージア州をバイデン氏が制したと発表し、メディアが追随した。トランプ氏との票差はわずか約1万4000票差(0.3%)。民主党が同州で勝ったのは1992年のクリントン氏以来のことだ。僅差のため、手作業による票の数え直しが続いているが、米メディアは大勢に変化はないだろう、と伝えている。
トランプ氏はノースカロライナ州で勝ったものの、選挙人の獲得数ではバイデン氏に遠く及ばなかった。バイデン氏の得票は7818万票、トランプ氏は7276万票で、約530万票差。いずれの得票も過去の最高得票数を大きく上回った。バイデン氏は前回の大統領選から、東部ペンシルベニア、中西部ミシガン、ウィスコンシン、西部アリゾナ、南部ジョージアの5州を奪回した。
トランプ氏にとって、ジョージア州の敗北は再選への望みを完全に砕かれるものであり、計り知れない打撃だ。さらに同氏を追い込んでいるのが、望みをかけている法廷闘争で訴えが却下されたり、申し立ての断念に追い込まれたりしていることだ。トランプ氏は13日も「八百長選挙」「ペンシルベニア州で22万を超える票がトランプからバイデンに変更された」などとツイート、なお徹底抗戦の構えを崩していない。
しかし、ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストなど米メディアによると、ペンシルべニア州ではこれまでに開票中止などを求めた訴えなど6件が却下され、ミシガン州でも票の確定を遅らせるよう提訴したが、「不正の証拠がない」として退けられた。アリゾナ州では、トランプ陣営が「集計の担当者が選挙機器を操作してトランプ票を無効にした」などと訴えたが、証人の証言が怪しくなり、申し立てを断念した。
しかも、メディアによると、トランプ陣営の提訴を担当してきた2つの大手法律事務所がアリゾナ州やペンシルベニア州の訴訟から相次いで手を引いたことが明らかになった。撤退の理由は不明だが、陣営の不正選挙の主張に根拠が乏しいことから、「勝ち目がない」と見切りをつけた可能性がある。