2024年12月7日(土)

田部康喜のTV読本

2020年11月26日

仲、木村の家庭も息もハラハラドキドキの展開

 敏腕弁護士の妻で、何不自由がない豊かな生活をしている、まり(仲)はどうか。友人に誘われて聞きに行った、噺家の今昔亭丸太郎(阿部サダヲ)から猛烈なアタックを受けて、恋愛感情を抱くようになる。

 まりの夫の繁樹(玉置玲央)は、法律事務所の部下の若手弁護士・山下のり子(森田望智)と不倫関係にあった。まりに嫉妬する、のり子は陰険な嫌がらせをするので、繁樹はのり子をクビにする。まりと和解しようと、温泉に誘った繁樹だったが、のり子から自殺するというメッセージがきたので、まりをひとり残して東京に戻る。

 まりが泊っている高級旅館に丸太郎(阿部)が押し掛ける。ふたりは個室の露天風呂に一緒に入り、布団をひとつにする。

まり  ダメ、やっぱりダメ。丸太郎さんのことは好き。これ以上のことをすると、こどもたちのところに戻れなくなる。

丸太郎 まりちゃん、ここまでしたら、したのと同じだよ。

まり  わたしにとっては、違うの。

丸太郎 まいったなあ。まあ、おいしい料理は、食べる前がおいしいっていうからね。

まり  手をつないで寝よ。

丸太郎 そんな残酷なことよくいえるよ。

 杏(木村)と斉木巧(小泉)の不倫関係は、三人の母のなかでは最も複雑である。杏の夫の慎吾(渋川清彦)が実は、斉木の妻・由香(瀧内公美)と駆け落ちしたのだった。

 慎吾(渋川)と駆け落ちして、一緒に与論島で住んだ由香(瀧内)は、がけから落ちて記憶喪失になった慎吾を置き去りにして、別の男に走った。

 由香の所在を探っていた、斉木(小泉)は、たまたま与論島で杏の夫の慎吾を発見して、そのことがきっかけとなって、杏(木村)との距離が縮まる。

 与論島に慎吾を訪ねた杏は、旅行案内人の仕事をしている彼とかき氷を食べていると、「あなたといるとほっとする。なにか懐かしいにおいがする」といわれる。

 雨の夕方、杏のアパートの入り口に慎吾がたたずんでいる。

杏  あなたは、ここで何をしているんですか。

慎吾 助けてください。

 物語は、息もつかせぬ展開がまっている。
  
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