2024年11月22日(金)

From LA

2020年12月15日

若者の8割がサンダース支持 

 しかし選挙中は左派の反発を抑える必要があり、バイデン氏はサンダース氏にすり寄る姿勢を見せた。若者の8割がサンダース支持とも言われ、その影響力は無視できなかった。民主党が一枚岩になることが求められていた。

 選挙に勝った今、左派の過激な主張は主流派からは受け入れられない。バイデン氏は安全な人事で主流派の協力を得ながら政権を運営していく他はない。

 トランプによって分断された国を融合し、より良い国にする、というのがバイデン氏の主張だったが、人事を見る限りは「トランプ前にとりあえず戻した」に過ぎない。この4年間にはコロナによる経済格差、BLM運動など様々な分断が浮き彫りにされた。それが以前の政権に戻ることで一気に解消できるとは考えられない。

 バイデン氏自身、健康問題や息子であるハンター氏に調査が入ったなど、様々な問題を抱えている。ここに共和党からの突き上げと左派の反発が加われば、安定した政権にはならない可能性もある。現在のところサンダース氏は様子伺いではあるものの、もしバイデン氏が公約通りの環境対策や格差解消策を取らなければ左派をまとめて反撃に出ることもあるかもしれない。大統領になったことがバイデン氏のゴール、というのではあまりにもお粗末だ。

  
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