2022年8月8日(月)

WEDGE REPORT

2020年12月21日

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“最後の抵抗”も不発に

 法廷闘争と選挙人制度の変更が失敗し、バイデン氏の当選が選挙人投票で正式に確定した中、トランプ大統領に逆転の道は残されているのだろうか。唯一残っているのは議会での異議申し立てという“最後の抵抗”だ。米メディアによると、共和党の上下両院の議員249人のうち、バイデン氏の勝利を認めているのはわずか37人しかおらず、表面上はトランプ氏の主張に大勢が賛同している。しかし、異議申し立てで、トランプ氏敗北の状況を変えるのは不可能だろう。

 議会は来年1月6日に選挙人投票の結果を公式に認定し、第46代大統領としてバイデン氏を確定させることになる。ワシントン・ポストによると、その際、トランプ支持者の共和党の一部下院議員は憲法の定めに基づいて、ペンシルベニア、ウィスコンシン、アリゾナ、ジョージア、ネバダの5州で不正が行われたとして、異議申し立てを行い、バイデン氏勝利の無効を主張する構えだ。

 申し立てが行われた場合、上下両院がそれぞれ持ち帰って議論するが、申し立てを認めるには、両院が合意しなければならない。しかも、民主党が多数派の下院はそもそもこの申し立てを認めないだろうし、上院もロムニー議員ら共和党の少なくとも4人が申し立てに反対する姿勢を明確にしているため、過半数の獲得は無理だ。トランプ大統領の逆転を狙った“最後の抵抗”は不発に終わる可能性が極めて高いということだ。

ジレンマのペンス副大統領

 トランプ大統領がなお勝利への執念を燃やし続ける中で、ペンス副大統領の立場は一段と微妙になっている。トランプ氏が2024年の次期大統領選に再出馬する意向を示しているため、自らの出番のチャンスが急速に萎みつつあることが同氏にとっての最大のハードルだ。例え出馬しても、今回の選挙で国を二分する7400万票も獲得したトランプ氏の圧倒的な人気と強さを凌ぐのは相当困難だ。

 ペンス氏は1月6日の新大統領認定の際にも大きなジレンマに直面することになるだろう。新大統領の認定宣言は憲法により、上院の議長を兼ねる副大統領が行うことに決まっており、ペンス氏の役割となる。だが、敗北を認めていないトランプ大統領がペンス氏に対し、バイデン氏の大統領を認定しないよう要求する可能性もあり得よう。

 その時、ペンス氏は大統領の要求を受け入れるのか、憲法の規定に従うことを優先するのかの選択を迫られることになる。ペンス氏はこの認定式を終えた直後、お別れの海外訪問に出発する予定だが、新大統領の認定に際して、どう行動するのか、米政界の注目が集まっている。

  
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