米国は、アフリカの生活向上や民主主義にも気を遣う、持続可能なパートナーシップの良きイメージ作りを図っている。一方、中国は、アフリカの地下資源の富を本国に送ることばかり考えている。新華社通信は、クリントン長官の演説に、直ぐに反論したが、同様に思っているのはクリントン長官ばかりではない。7月、北京において、南アフリカの大統領は、中国とアフリカとの貿易モデルは、「長期的には維持できない」ものであると懸念を表明した。これらの批判を止めたいのなら、中国はまず行動を改善すべきである、と述べています。
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世界がオリンピックに湧く中、クリントン米国務長官は、7月31日から8月10日の11日間をアフリカ訪問に費やしました。訪問国は、セネガル、南スーダン、ウガンダ、ケニア、マラウィ、南アフリカです。クリントン長官は、アフリカ大陸で著しい存在感を示す中国を牽制しながら、米国の存在感を高めることに貢献しました。アフリカの経済発展を支える米国のやり方として、彼女が提唱したのが、民主主義と人権という価値です。これを持ち出すことで、中国とは真っ向から対立することになりますが、この価値外交は、クリントン長官が、様々な機会に、世界の各地で述べた、一貫した米国の外交政策の指針です。
日本は、南スーダンに自衛隊を派遣し、本年6月には、秋篠宮同妃両殿下が、日本の皇室として初めてウガンダをご訪問されました。南スーダン、ウガンダとも、今回のクリントン長官の訪問国でもあります。民主主義と人権を重視する日本として、そして日米同盟の協力関係を強化する場として、アフリカもあることを、このル・モンドの社説は示してくれました。
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