2024年12月9日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2012年9月14日

 8月6日付仏Le Monde紙は、「『シナフリカ(中国によるアフリカ支配)』の残酷な舞台裏」と題する社説を掲載し、クリントン米国務長官のアフリカ訪問は、中国のアフリカ進出を牽制したものである、と論じています。

 すなわち、8月4日にザンビアの炭鉱で起きた中国人殺害事件は、今に始まった事ではない。既に2010年、ザンビア人の炭鉱労働者達の労働条件改善の要求に対して、中国人達は、銃弾をもって応じ、12人が負傷した。翌年、ザンビア人達は、ザンビアと中国の対等な関係を求める新大統領を選出した。 

 8月1日、クリントン国務長官は、11日間のアフリカ訪問を開始するにあたり、次のように語った。アフリカとのパートナーシップのモデルは、「搾取することではなく、付加価値を与えることである」「米国は、民主主義と普遍的人権を擁護する。たとえ、それらを無視して資源開発を続けた方がより効率的に思えても、米国は民主主義と人権を守る。全ての国がこの行動方針を採っているわけではないが、米国はそうする」国名こそ挙げていないが、中国を意識しての発言である。

 アフリカ大陸は、その経済成長、豊富な資源、人口等により、世界の注目を浴びている。2009年に中国が米国を抜いて、アフリカの最大の貿易相手国になって以来、アフリカは米中対立の新たな舞台となった。中国は、最近、アフリカへの借款を200億ドルに倍増したばかりだ。


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