2024年12月7日(土)

海野素央の Democracy, Unity And Human Rights

2021年2月17日

なぜバイデンは弾劾裁判と距離を置いたのか?

 バイデン大統領はトランプ弾劾裁判について積極的に言及してきませんでした。弾劾裁判と距離を置いたのは明白です。ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は、この件に関する記者団からの質問に対して、バイデン氏はもはや上院議員ではないと回答しました。

 本来であるならば、弾劾裁判ではより多くの証人を召喚し証言を集め、それをベースにして判決を下すのが民主主義的プロセスであることは言うまでもありません。ところが証人を召喚すれば、審理は長引きバイデン大統領の追加経済対策案及び閣僚人事の承認は延期されます。バイデン氏は一刻も早い可決と承認を求めています。

 率直に言ってしまえば、バイデン大統領にとってトランプ氏に有罪ないし無罪の評決が出てもレガシー(政治的遺産)にはなりません。バイデン氏がトランプ弾劾裁判から距離を置いた本当の理由は、同氏のレガシーが新型コロナウイルスを収束させ、経済を回復させることだらかです。

  
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