2022年12月4日(日)

オモロイ社長、オモロイ会社

2021年3月4日

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杉浦佳浩 (すぎうら・よしひろ)

代表世話人株式会社代表

三洋証券株式会社入社(昭和62年)。鹿児島支店にて勤務。地元中小企業、個人富裕層の開拓を実施。 日経平均最高値の2カ月前に退職。次に日本一給与が高いと噂の某電機メーカーに転職。埼玉県浦和にて、大手自動車メーカー、菓子メーカー、 部品メーカー等の主力工場を担当。 退職時は、職場全員から胴上げ。そして、某保険会社に20数年勤務後、平成26年末に退社。在社中は、営業職、マネジメント職を経験して、リテール営業推進、若手人財育成を中心に担当していた。 社外の活動も活発に行っていた。平成27年1月1日、代表世話人株式会社を設立。
同社代表取締役に就任。世話人業をスタート。

週末起業、会社初の副業を認めてもらって 
演繹的思考法で事業ドメインを決めた 

會田武史。1989年生まれ。三菱商事株式会社にて自動車のトレーディング、海外市場での販売/マーケティング施策の企画・立案・実行、クロスボーダーの投資案件・新会社設立、政府向け大口入札案件、M&A案件等に従事。2017年7月に株式会社RevCommを設立し、2018年10月に電話営業・顧客対応を可視化するAI搭載型IP電話『MiiTel(ミーテル)』を正式リリース。

 2016年11月にウクライナで起業を決意しつつも、大きな事業であり、すぐに辞めるわけにはいかない。2017年2月に帰国、週末起業、平日時間外にしながら起業の準備がスタート。小学4年の七夕に短冊に決意表明をして18年後の2017年7月7日(トリプルセブン)に会社を創ることを決めて、三菱商事始まって以来初の副業で起業が決まり、そこから2カ月後の9月末で退職。

 會田さんのやりたいこと。「今後3〜5年で大きな波になる要素技術」×「日頃の自分がPain(苦痛)に感じていること」という2軸で考え「AI ✕ Communication」という結論に。そして事業のゴール設定を「AIで経営判断を創出するプラットフォームを創る」ことに決めました。帰納的に事業構築を考えるのではなく、未来、マクロの視点から逆算して戦略戦術に落とし込んで行きました。

  • ディープラーニングの発展からAIに無限の可能性を感じていたこと(要素技術)
  • 日本の高いコミュニケーションコスト、生産性の低さ・効率の悪さ(自分がPain(苦痛)に感じていた)

 演繹的思考法で事業ドメインを決め、やりたいを明確、これからやるべきことをも明確にしつつ事業家への道を進みだし、プロダクト(MiiTel:ミーテル)のローンチはそこから1年後の2018年10月となります。

現在のプロダクト
MiiTelについてそれは優れモノではあるが入り口に過ぎない

 現在の事業の柱であるMiiTelについて何が売りなのか?

 AI搭載のIP電話とHPには記載があります。でどんなことが実現できるのか、どんなツールなのか。

  • コスト削減効果:電話機不要、工事メンテナンス不要、通話料、録音データ削減、在宅勤務では有り難いツールに
  • 標準機能:IP電話、自動録音、通話中のモニタリング
  • 業務効率向上機能:応対履歴の自動登録、録音データの抜粋共有、ワンクリック発信、自動全文文字起こし、文字起こし要約機能
  • 教育セルフコーチ機能:スコアリング、キーワード自動認識、応対メモ、ダッシュボード、通話内容の定量評価
  • コールセンター機能:IVR、待ち呼、プレディクティブコール、キューイング
  • 外部連携:外部SFAとの連携、Slackとの連携、Amazon S3連携、JavaScriptウィジェット
  • セキュリティ:セキュリティ、第三者認証

 とてんこ盛り状態(一部別途契約が必要)。

 2021年1月末現在1万5500アカウント(人)が利用するにいたっています。コロナ禍での在宅ツールでの追い風もありますが、時代背景として、訪問営業からインサイドセールス、カスターマーサクセスにおける「電話」活用のニーズは大きく、マーケットはかなり増大している現状があります。

 それは、起業の経緯、「日本の高いコミュニケーションコスト」の増大にもつながる。在宅や遠隔でだれがどのように会話しているのか、まさに「ブラックボックス化」も大きくなっている。

 

 社内でのロープレでは、非常にうまく話せる人が、なぜか成果が上がらなかったり、口下手なのに成果が上る人がいる。教育担当の人がすべての会話につきっきりで教育できるものでもない。

  • 会話のスピードは適度か?
  • 対話している相手が興味を持っている?
  • 相手に必要なキーワードを伝えているか?、不必要なキーワードを発していないか?
  • 対話の相手の発言を遮っていないか?

 このようなことがブラックボックスとして存在している中、「定量的」に評価するツールがなかった、そこにプロダクトの可能性を會田さんは見出しました。

 電話応対している人本人が自身で、どこのだれにどんな内容で電話をしたか相手の反応はどうだったか?それをすべて記述していくのも大変な労力まさに會田さんの言うPain、これを客観的、定量的、しかも自動で会話の内容のレポートが要約されて出力されて出てくる、こんなツールを実現しています。

 実際の利用者の声を同社HPから見てみると、「新人教育が3カ月→1カ月に大幅削減 フィールドセールスが電話音声データをアポの事前準備に活用」というような、人材育成での効果も多く見受けられます。

今後の展開について大切にしていること

 

 今年の1月に音声解析AI電話の次のプロダクト、オンライン商談をAIが解析・可視化するオンライン商談ツール「MiiTel Live(ミーテルライブ)」を正式リリースし、電話から商談へと分野も拡大していくことになります。

  • 最大 8 名のオンライン商談で利用でき、ミーティングの録画や文字起こし、音声解析機能を搭載することで、商談のブラックボックス化問題を解消しオンライン商談の振り返りに活用
  • 商談が自動録画されることで、簡単に自らの商談を振り返りできるだけでなく、ワンクリックで他部署へ共有したり、成約につながった商談の録画を新人の教育に活用したりできる
  • 成功事例を共有することで、営業部門全体の売上向上が促進されるほか、在宅勤務で希薄化しやすいコミュニケーションの活性化に役立つ

 商談でのブラックボックスを排除し、会話した内容を、音声認識AIが解析・可視化することでオンライン商談の質を向上させていきます。第2のプロダクトもリリースした會田さんの大切にしていること、事業家として実現していきたいことについて最後に聞きました。

 何よりも大切にしていることはミッションの達成と間髪入れずに返ってきました。「コミュニケーションを再発明し、人が人を想う社会を創る」。無機質なことをやりたい訳ではない、人が人としてあるべき姿を創っていくこと。今この時代だからこそ大切に感じます。會田さんからは、大学時代の反動だと思う。心の豊かさを大切さに気付いたことが大きいと言います。

 今年は海外マーケットへもアプローチが開始、インドネシアで展開がスタートする話もあり、大きなチャレンジが始まります。會田さんに個人としての課題を尋ねると、「課題は多いですね、スキルセットで言うと、社外とのコミュニケーションは得意ですが、社内のコミュニケーションのレベル向上を実現したい、1対1の対話レベル、1対Nのコミュニケーションレベルを上げていく、2021年の自分にとっての一文字は『育てる』。事業、人、文化を育てる。人の心に花を咲かせことるをやっていきます」と、自分と真摯に向き合い事業家への階段を着実に上がって行こうとしていることを感じ入りました。

 今回のインタビューを通じて、何度も會田さんが発するコトバに「お陰様」がありました。これまでにたくさんの経営者に出会ってきましたが、有難うを言う人はいましたが、32歳の起業家でこれほど「お陰様」を使用する人は少ないと思いました。

 過去の話はあまりしたくないという會田さんに今回たくさん過去について語っていただきました。この経験があればこそ面白い展開を今後もしていかれることを実感しました。これから本当に楽しみな経営者、企業と思います。

  
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