2024年12月4日(水)

オモロイ社長、オモロイ会社

2020年1月7日

 総務省の「ICTによるインクルージョンの実現に関する調査研究」(2018)によると、ビジネスチャットツールの日本における普及率は23.6%、米国67.4%、英国55.9%、ドイツ50.6%と大きく出遅れている環境下、2019年9月24日にビジネスチャットを主軸展開する企業では国内初の上場会社となったのが、Chatwork(東京都港区)です。

 2019年12月末日時点、同社ツール導入社数24万6000社以上、登録ユーザー数308万人超となっています。これはビジネスチャットツールの領域での国内No.1企業(国内における月間アクティブユーザー数〈MAU〉が最も多い:Nielsen Net View2019年5月調べ)。

 同社の始まりと、今後の展開について山本正喜社長にお話を聞きました。

19年9月、東証マザーズに上場

ビジネスチャットとは何か?

 ビジネスチャットを活用する企業がいかに生産性が向上し、ビジネスが加速しているのか。事例をいくつか挙げることで現状を認識してみたいと思います。

①メールの見落としが無くなったことによりクレームが無くなった、時間も削減へ

 大阪府東大阪市で配送センター代行業務を行っている株式会社関通社、ECサイトの受注管理代行業務等もあり、年間数百万個の品出しをBtoB、BtoCで行っています。その関係で日々社内、社外を大量のメールやり取りが発生、1対1での対応が主流のメールで発生していたのが、見落としによる出荷未対応クレームでした。

 Chatworkを導入し、チャットをグループ化。グループで誰かがチェックできることで見落としがなくなりました。このグループでチャットを見ていることで情報の共有も自然にできているという副産物も。またChatworkの強みである「社外」とシームレスにつながること、無料からでも利用できることから相手先の負担もなくスムーズに導入でき大きな負担もなく円滑に移行できたそうです。

②IT導入が遅れ気味な一次産業でも、業務の効率化に

 茨城県の北部で「奥久慈卵」を生産するひたち農園。水戸市に加工センターも所有し厚焼玉子の製造も手掛けています。同社では10年以上前からグループウェアを活用しており、スケジュールや掲示板などで日報や社内連絡をおこなっていましたが、掲示板だとテキストは簡単に載せられますが、業務上大切な現場の画像を載せるのに一手間かかったりと課題も感じて、Chatworkを導入することで今までの課題が解決。タスク機能を活用して自分への連絡に活用し気付きやすくなり、業務の抜け漏れがなくなったそうです。

 チャット上に写真だけでなく、音声や動画もカンタンに上げられることから、機械のトラブルの解決等で動画を共有することで細かな部分が確認できスピーディに対応できている、音声を留守電感覚でチャットに上げると文字だけでは難しい感情部分も伝わるので活用している。この様な、写真を添付する、動画を撮影して添付する、音声を添付するという「手間」がスマートフォン、タブレットでカンタンに送信、共有できることで、「効率化」、「タスク漏れ」、「対応遅れ」の改善に繋がっているそうです。

③「働き方改革」で若手発案のビジネスチャットを導入

 1931年創業で、アルミニウムの特性を生かした製品を開発し、箔事業、パウダーペースト事業、ソーラー事業、日用品事業を展開する。パウダーペースト事業は世界シェアNo.1、素材箔事業は国内シェアNo.1の実績を誇っている東洋アルミニウム。

 Chatwork導入前の課題感は、製造所での時間外労働が問題になっていた、メールの数が膨大になり、やり取りをさかのぼるだけでも大変だった、会議が多く毎回2時間ほどかかっていた、この3点。

 業務上の課題解消のための会議で上がってきたのが、「コミュニケーションの課題」でした。若手社員からビジネスチャットの活用の提案があり、Chatworkを導入。導入前はのメールでのやりとりが、多い社員で300通を超えており、洪水状態その処理だけで本来業務への支障も出ていたそうです。

 解決策として、報連相や決裁などをメールや口頭からチャット上でおこなうことにした。製品、テーマごとにグループチャットを作って情報を一元化しました。資料などを会議前にチャットにアップロードして確認するようにしたことで、時間外労働が目に見えて減り、部署をまたいだやり取りがスムーズに進むようになったそうです。

 

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