金融多様化のニュースが目まぐるしく駆け巡るこの時代。フェイスブックが仮想通貨Libraを出すなど、様々な非金融機関であった業界から参入が増加の一途。新しい金融スキーム、ファンド組成等々のニュースが毎日飛び込んでくる時代となってきました。
「直接・間接金融」と言っていた頃から様相も一変しようとしています。そんな中、一部の経営者には馴染みがあった「ファクタリング」。その古くて、特殊なイメージを持ったこの金融スキームにフォーカスして、国内初の「クラウドファクタリング」のスキームを組成し、急速に成長の兆しが見えてきたOLTAの澤岻(たくし)優紀社長に話を聞きました。
金融あるある、自分でやりたくなった
1987年生まれの澤岻さん、神戸大学経営学部を卒業して野村證券に入社(2012年4月)。投資銀行部門にて大企業向けの資金調達実務を担当、上場事業会社の社債、株式の発行業務がメインの仕事だったそうです。仕事に没頭するも入社3年目の頃から起業に興味を持ち始めたそうです。本人曰く「金融あるあるなのですが、自分でやってみたい。自分の事業を起こしたいとモヤモヤし始めました」と話します。
それまでも、MBAを取得に走った方が良いのか、転職を選択して別の企業で働くのが良いのか、自問自答、モヤモヤの日々が1年以上経過した時区切りとなったのが29歳の誕生日。この1年で30歳になる、30歳をどう迎えるのがベストか? モヤモヤのピークとなったその時に退職・起業を選択し、退職意向を上司に伝えたそうです。
しかし、「何をするか」が決まっていなかった澤岻さんを上司達が心配し、飲み会が設定されるなど引き止めが続いたそうです。
30歳までの1年でやりたいことを見つける
起業で何をやるかを決めずに野村證券を退職した澤岻さん。30歳までの1年間は起業準備をしよう、やりたいことを見つけるための1年間とまず決めたそうです。そこから、今までの仕事では関わることのなかった世界を見る、知るために、ベンチャーキャピタリストのかばん持ちと、ベンチャー企業に入り込んでアルバイトの2つの掛け持ちをしながら、スタートアップ企業の分析、デューデリジェンス、ビジネスモデルの研究をしていたそうです。
そこから2〜3カ月目には4〜5つの起業イメージ、事業のアイデアが出来上がってきたところから人との交流を加速していったそうです。