2022年12月4日(日)

WEDGE REPORT

2021年3月3日

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樫山幸夫 (かしやま・ゆきお)

元産經新聞論説委員長

元産經新聞論説委員長。政治部で中曽根首相番、竹下幹事長番、霞クラブ(外務省)詰め、ワシントン特派員、同支局長、外信部次長、編集局次長、正論調査室長兼論説委員、産経新聞社監査役を歴任。2度のワシントン勤務時代は、ホワイトハウス、国務省などを担当、米国の内政、外交など幅広く取材した。

オバマ氏は主権問題を口にせず

 オバマ政権になってからは、米国はさらに積極さを見せるようになった。

 2014年4月にオバマ大統領が来日、安倍首相(当時)との共同記者会見した際、尖閣への安保5条適用を米大統領として初めて、明言した。

 しかし、主権問題についは、この時も「特定の立場をとらない」と従来通りの立場を堅持、喜ぶ日本側に冷水を浴びせた。

 そのちょうど1年後、オバマ氏が再び来日。安倍首相との共同会見で、尖閣への5条適用を明言したのは前年同様だったが、違ったのは、「主権について特定の立場をとらない」という発言がこの時は一切なかったことだ。

 わずかな相違ではあったが、読売新聞は2015年5月5日付の1面で、大統領発言から「主権」が消えたことを報じ、その背景として、「日本政府から事前に要請を受けて、米国は従来の見解をあえて述べなかった」と伝えた。

 真相はともかく、日本政府が粘り強く働きかけた続けた結果であることは明らかだろう。

 尖閣への5条適用はトランプ政権にも引き継がれ、日米間の公然の了解事項となっていくが、米国は、主権、領土で特定の立場をとらないという方針をなお捨てようとはしなかった。

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