2024年11月22日(金)

海野素央の Democracy, Unity And Human Rights

2021年3月3日

トランプは本当に共和党を結束できるのか?

 今回のCPACにはマイク・ペンス前副大統領、マコネル院内総務、共和党ナンバー3のリズ・チェイニー議員及びトランプ前政権の元国連大使ニッキー・ヘイリー氏ら大物が出席しませんでした。その理由は明確です。

 トランプ支持者は1月6日の米上下両院合同会議で、バイデン大統領が獲得した選挙人を覆さながったペンス前副大統領を「裏切り者」と呼んでいるからです。マコネル氏は議事堂乱入事件に関して、トランプ前大統領の「道徳的責任」について言及したからです。チェイニー氏は下院で反トランプの急先鋒になっており、ヘイリー氏はトランプ氏と袂を分かつ発言をしたからです。今回のCPACは「オール共和党」とは到底言えません。

 ちなみに、CPACが参加者を対象に実施した模擬世論調査では、仮にトランプ氏が24年米大統領選挙に最出馬しなかった場合、43%が地元フロリダ州のデサンティス知事を支持すると回答しました。一方、ペンス前副大統領の支持率はわずか1%で、ヘイリー氏は3%でした。

 トランプ前大統領は演説の中で、弾劾裁判においてトランプ有罪票に投じた7人の上院議員と10人の下院議員を1人ずつ名指しで批判しました。「全員追放しよう」と述べて、共和党から彼らを排除する意思を示しました。特に、トランプ氏はチェイニー下院議員を強く非難しました。同議員はマールアラーゴを訪問していません。これでは共和党の結束の道は極めて険しいと言わざるを得ません。


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