2022年12月5日(月)

海野素央の Democracy, Unity And Human Rights

2021年3月3日

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海野素央 (うんの・もとお)

明治大学教授 心理学博士

明治大学政治経済学部教授。心理学博士。アメリカン大学(ワシントンDC)異文化マネジメント客員研究員(08年~10年、12年~13年)。専門は異文化間コミュニケーション論、異文化マネジメント論。08年と12年米大統領選挙で研究の一環として日本人で初めてオバマ陣営にボランティアの草の根運動員として参加。激戦州南部バージニア州などで4200軒の戸別訪問を実施。10年、14年及び18年中間選挙において米下院外交委員会に所属するコノリー議員の選挙運動に加わる。16年米大統領選挙ではクリントン陣営に入る。中西部オハイオ州、ミシガン州並びに東部ペンシルべニア州など11州で3300軒の戸別訪問を行う。20年民主党大統領候補指名争いではバイデン・サンダース両陣営で戸別訪問を実施。南部サウスカロライナ州などで黒人の多い地域を回る。著書に「オバマ再選の内幕」(同友館)など多数。

トランプと共和党のイメージ

 トランプ前大統領はCPACの演説で、共和党のイメージ低下をくい止めることができたのでしょうか。

 世論調査で定評のある米クイニピアック大学(東部コネチカット州)の調査(21年2月11~14日実施)によれば、「1年前と比較して、共和党に好感を持つようになりましたか。それとも好感を持たなくなりましたか。あるいは同じですか」という質問に対して、全体で50%が「好感を持たなくなった」と回答しました。「好感を持つようになった」の11%を約40ポイントも上回りました。

 共和党支持者では32%が同党に「好感を持つようになった」と答えましたが、24%が「好感を持たなくなった」と回答しています。ちなみに、民主党支持者をみますと、同党に対して43%が「好感を持つようになった」と答え、「好感を持たなくなった」と回答したのは3%でした。

 共和党に「好感を持てなくなった」と回答した有権者は高齢者が多く、50~64歳で55%、65歳以上が56%になっています。「良き共和党」の時代を知る高齢者は、現在の同党に対して深い失望を感じているのでしょう。

 さらに、54%の白人女性が共和党に好感を抱いていません。昨年の大統領選挙におけるトランプ支持の武装した自警団ミリシアによる投票所周辺での少数派や女性有権者に対する嫌がらせ及び、今回の議事堂乱入事件における極右集団の暴動が多かれ少なかれ影響を与えていることは確かです。

 トランプ前大統領の演説は結束というよりも、反トランプの共和党議員の追放にポイントが置かれており、共和党のイメージ低下をくい止めることはできなかったと言えます。

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