2024年12月7日(土)

Wedge REPORT

2021年3月10日

マイナンバーカードを持っていても、必要な身分証明書

 さらに、この免許申請のために区役所で住民票を取りに行った時のこと。昨年マイナポータルでマイナンバーカードを登録しようとしたとき、なぜかパスワードが受け付けられずロックがかかってしまった。マイナンバーカードには4桁の暗証番号の他にアルファベットと数字を組み合わせたパスワードが設定されていて、確かに自分で設定したパスワードを入力したはずがエラーになってしまった。

 ついでにロック解除を申請しようとマイナンバーカードを渡すと「身分証明書の提出」を求められた。マイナンバーカードというのは顔写真がついており、身分証明になるものとして創設されたはずなのだが、それに加えて身分証明書の提出が必要な理由とは何か。これも問い合わせたところ、マイナンバーカード制度がまだ新しく、誤用や誤解などを防ぐために二重チェックをお願いする場合がある、という返答だった。一体何のためのマイナンバーカード制度なのだろう。

 このように制度がきちんと機能していない、あるいは作った制度の意味を行政そのものが打ち消してしまっている、というケースが日本には多いように思う。役人は頭が良いはずなのに、なぜこうなってしまうのか、を考えると、要するに国民を子ども扱いしている、あるいは定めた規則に自らが縛られて身動き取れなくなっている、というのが現状ではないだろうか。

 免許証の話など、国際化だ、外国人受け入れだ、とお題目を唱えていても、日常生活に必要な手続きひとつがこれだけ煩雑では、誰も日本に住みたいとは思わないのでは、と感じてしまう。行政の思い切った改革を実現しない限り、日本は国際社会から取り残されることになるのではないか。

  
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