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2021年8月22日

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磯山友幸 (いそやま・ともゆき)

ジャーナリスト

千葉商科大学教授(4月から)。1987年日本経済新聞社に入社。フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長などを務め、11年に独立。著書に『2022年、働き方はこうなる』(PHPビジネス新書)など。

【小松武司(こまつ・たけし)】 
1965年広島県生まれ。専修大学商学部卒業。イトーヨーカ堂などを経て、96年サティスファクトリーインターナショナルを設立。飲食業を展開した後、廃棄物一元管理などの環境関連サービスを開始。

 ゴミ収集日にプラスチックゴミを分別して出すと、それが原料となって再びプラスチック製品に生まれ変わっていると多くの読者は思われるだろう。スーパーで売られているゴミ袋などに「リサイクル100%」と書かれている商品も多く、コンビニやスーパーのレジ袋有料化も始まった。日本は「リサイクル王国」だと信じている方も少なくないに違いない。

ゴミ袋の原料とは?

 だから、海洋投棄されたプラスチックゴミを魚が食べて深刻な汚染を生んでいるというニュースを聞いても、どこか他人事のような感じを受ける。実際は、日本から大量のプラスチックゴミが発展途上国などに「輸出」され、それが適切に処分されずに、海に捨てられているものも少なくないと言われる。だいぶ減ったものの、財務省の統計によると、2019年に日本は89万8000㌧のプラスチックゴミを輸出しているのだ。

 「実は、リサイクル100%のゴミ袋と言っていますが、多くのゴミ袋の原料は皆さんがイメージするプラスチックゴミではないんです」

 廃棄物マネジメント会社の草分け的な存在であるサティスファクトリー(以下、サティス)の小松武司会長は言う。サティスは1996年に小松さんが創業、飲食店が出すゴミを、毎日検量して適切な業者に適正価格で処理させるなど、ゴミ管理を請け負う事業を始めた。今では「パートナー企業」と呼ぶ取引先は4000社にのぼる。

 小松さんによると、「リサイクル100%」のゴミ袋の多くは、「OG品」と呼ぶプラスチック原料で作られるケースがほとんど。工場などがプラスチック製品を作るために仕入れたプラスチック・ペレットで、使い切れなかったものやペレット製造業者の在庫品などが「リサイクル」されてくる。リサイクルにもかかわらずゴミ袋が透明できれいなのは、「新品」のリサイクル原料を使っているからだ。本当のゴミから作れば、透明にはならない。

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