「私好きなの?」
シーンは、紘一の母・薫(宮崎)が働いている、高級旅館に戻る。咲が帰るのを薫が送りながら、紘一が咲に言ってくれない、「どうして自分と結婚する気になったのか」という質問に薫はこう答えた。
「いつも仕事のことは、国家機密だっていって、話してくれなかったの。でも、あなたを救出したときは『この人を一生絶対に守るんだ』っていったの。仕事の話をしてくれたのは初めてだった」
そして、担当作家になった、水無月(白洲)の「旦那のこと好きなんだね」という言葉が咲の気持ちを揺さぶる。
「私好きなの?私たち、まだ間に合うかしら?もう一度やり直したいって言ったら?」
しかし、自宅に帰ってみれば、離婚の準備のために、紘一はふたりで購入したマンションを売却するために不動産会社と交渉済みだった。しかも、自分の名前の部分は書き込んだ、離婚届まで用意していた。
一方、咲の母・美土里(三石)は、咲と紘一のマンションで、家族や友人、紘一の同僚らを招待して、自分の誕生会を開く。その席で、自分が夫の武史(平田満)と離婚すると宣言する。
参加者がいなくなって、紘一とふたりだけになった咲はこう言うのだった。
「個人主義で、別れるのはご自由にって思ってた。(両親の離婚で)戻るところがなくなってしまった。さびしい。本当にひとりぼっちになっちゃった」
「もういい」と、紘一は咲を抱きしめる。
そして、「離婚はやめよう」と。
「何言ってるの?」と咲。
「君をひとりにはしない」と、紘一はさらに咲を抱きしめると、咲は涙をこぼすのだった。
ドラマは毎回、さまざまな出来事が交錯して、紘一と咲が抱き合うシーンで終わる。「お約束」である。
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