今年1月20日にジョー・バイデン新大統領が就任後、アメリカでは新型コロナウイルスのワクチン接種が急ピッチで実施されている。進行具合には州ごとにばらつきがあるものの、ジョンズ・ホプキンス大学の統計によると、全米の5月12日現在でワクチン接種完了率は全人口の35.84%。同統計によると日本の完了率は1.05%であることから、アメリカでワクチン接種がいかに速いスピードで展開されているかが分かる。
また、ワクチン接種が順調に進むと同時に、新規感染者や死者数も大幅に減少している。サービス業などのビジネスが再開するに伴い、失業率も低下して経済復興が進んでいることもあり、アメリカでは今、長く暗いトンネルの向こうに光が見えたように、全体的な雰囲気が明るく開放的になりつつある。レストランやショッピングに出かけるのにも、いちいち恐怖感を感じることはなくなった。そんな中で、米疾病管理予防センター(CDC)では4月27日、接種完了した人は屋外でマスクを着用しなくても良いと公表。新型コロナウイルスとの闘いにおいて、アメリカは新たな段階に突入したのである。
ハワイ州内のワクチン接種状況は?
そんな状況下で、多くの日本人に愛される筆者の居住州ハワイでも、新型コロナワクチンの接種努力が順調に進められている。前出のジョンズ・ホプキンス大学統計によると、ハワイ州では5月11日現在で139万4995本のワクチン接種が完了。うち55万1293人、全人口の39.03%は2回(ジョンソン&ジョンソンの場合1回)の接種を済ませている。ハワイ州で16歳以上の接種が可能になった4月中旬(オアフ島では4月20日)からまだ3週間程度しか経っていない現在でこの数字であるから、今後16歳未満の子どもの接種が開始されれば、接種率が州人口の50%を超えるのも時間の問題だろう。
16歳以上の接種が誰でも可能となったことで、筆者も早速インターネット上でワクチン接種の予約をした。アメリカ国内ではすでに、病院や特別接種会場以外でも、近所に点在する大手薬局やスーパーマーケット内にある薬局でワクチン接種を受けることができる。筆者は病院よりもアクセスが簡単で待ち時間も短いと思われた、日本人観光客にも馴染みの深い大手薬局『ロングス・ドラッグス』でワクチン接種を受ける予約をした。
オンライン予約時はアレルギーや健康保険に関するいくつかの質問に答えなければならない。接種会場を指定すると、予約可能な日時が表示され、そこから自分の都合の良い予約日時を選ぶという非常に簡単なシステムだ。当日もほぼ並ぶことなく、待ち時間数分で接種が終了。接種後は会場内で15分間待機して帰宅という手軽さで、もちろん費用は無料である。ワクチン接種当日は倦怠感や腕の痛み、寒気などの症状があったが、15時間程度経過した翌日昼頃までにはほぼ普段の体調に戻った。
また、先日は筆者の子どもの通う高校から、校内における「16歳以上の生徒の新型コロナワクチン接種」を通知するメールがあり、学校内での接種体制も整ってきたようだ。今後数週間以内には、まず12歳~15歳の子どもたちが校内で接種を受けられる状況になる可能性が高い。ただし、ハワイ州内にも、ワクチン接種を拒む人々が存在するため、接種率が100%に達することはないと思われる。また、接種率が上がっても、今後もしばらくは商業施設や公共の場でのマスク着用やソーシャルディスタンスなど、現在の感染予防対策は続けられる予定だ。