2024年12月9日(月)

WEDGE REPORT

2021年1月17日

(sorincolac/gettyimages)

 アメリカでは相変わらず新型コロナウイルスの感染が拡大し続けている。連邦政府レベルでの感染防止対策がほとんどなく、未だにウイルスを軽視する人が多いためそれは当然のこととも言えるだろう。ジョンズ・ホプキンス大学の統計によると、2021年1月13日現在、同国の累計感染者数は2299万8320人、死者数は38万3338人となっており、感染者数では全世界の約4分の1、死者数では約5分の1という驚異的な数に上る。

 そんな状況下でも、アメリカ本土から遠く離れ、徹底的な感染予防対策を実施しているハワイ州では、本土各州よりも比較的感染者数が低く抑えられている。ハワイ州保健衛生局の統計によると、10月~12月の平均新規感染者数は50~80人前後が多いものの、感謝祭やクリスマスなどの祝祭日後になると100人以上に跳ね上がり、その後またすぐ下がるというパターンが続いている。年末年始はクリスマスや大晦日、元旦などで家族や友人が集まる人が多かったために増加を見せ、同局のデータによると、1月5日には州全体の新規感染者数が284人を記録。しかしその後はまた緩やかな減少傾向にあり、12日には114人まで下がったことから、増加は一時的なものと思われる。

 ハワイ州では昨年10月15日からはアメリカ国内の訪問者、そして11月6日からは日本を含む一部の国々からの訪問者に対し、出発72時間以内に発行されたウイルス陰性証明書を提出することで自主検疫(隔離)を免除するプログラムを開始した。最近ホノルルでは日本人観光客の姿が見られるようになってきたものの、今はハワイよりも日本国内の新規感染者数が心配される中、海外旅行を控える人が多いためか、その数は今ひとつ伸びていないようである。

例年になく静かな年末年始 花火も中止に

 そんな中、ハワイ州を含むアメリカでは、パンデミック上陸後、初めての年末年始ホリデーシーズンを迎えた。アメリカでは11月第4週目木曜日の感謝祭、12月のクリスマス、そして大晦日と、家族や友人と集まる機会が多い祝祭日が続く。ハワイの今年のホリデーシーズンは例年より格段に静かで、花火イベントやコンサート、大晦日パーティー、クリスマスパレードなど大規模なイベントも中止された。元旦に筆者が訪れた神社では、多くの人々が触れるためか鈴が取り除かれ、いつもなら新年の祈祷をしてくれる宮司や巫女も不在という寂しい状態だった。

 アメリカでは感謝祭やクリスマス、ハワイでは元旦に家族や友人と過ごす人が多いが、現在は5人以上の集会が禁止されているためか、内輪だけで過ごす人が多かったと思われる。しかし驚いたことに、ワイキキのカラカウア大通りには年末年始、渡航規制が始まった2020年3月以降はずっと見られなかった多くの観光客の姿があり、中には日本人らしき人々の姿もちらほら見ることができた。

 ハワイ州ビジネス経済開発観光局の統計によると、日本からのフライトでハワイ(全島計)に到着した訪問者は2020年12月25日が231人、26日が249人だったが、27日にはその数が57人と激減した。その後28日には125人、29日163人、30日82人、31日が128人だった。ちなみに、2021年1月1日は109人、2日は137人、3日117人、4日224人という数で、例年のマイナス95~98%前後という寂しい数字となった。日本国内での現在の感染拡大が収まり、ワクチン接種が普及するまでは、日本からの観光客数はこのまま低い数字にとどまりそうだ。


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