2022年7月6日(水)

オトナの教養 週末の一冊

2021年6月25日

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昭和と令和のハイブリッド

 実は経営者になった当初、関谷さんは〝恐怖政治〟で経営をしていたという。ずばり「詰める、ビビらす、従わせる」だ。

 「ただ、辞めていった人たちのコメントを見ると、次第に堪えられない気持ちになっていきました。そして、事業が拡大していくと、社員が50人くらいになった時に、このやり方では持続性がないと気が付きました」

 そこで関谷さんが辿りついた答えが「友達になりたい人を採用する」ということだった。これに対して、当然のごとく「仕事なのだから」と、否定的な意見もある。でも、関谷さんの答えはシンプルだ。「馴れ合い上等!」なのだ。そして、「褒める、励ます、寄り添う」にシフトチェンジした。

 「友達のほうが何でも話せるし、一緒に仕事をしていて楽しい。逆に苦しいときも助け合うことができます」

 一方で、「上司とは飲みに行け」と関谷さんは言う。これこそ、現代の若者が最も嫌がることではないかと思ってしまうが、「上司とのコミュニケーションの中に学びがある」ことを関谷さんは指摘する。既存の慣習、前例を打破する一方で、良いもの(こと)は残していく。これを「昭和と令和のハイブリッドなんですよ」と、関谷さんは笑う。

 ただ、40歳も過ぎて来ると経験値が溜まってくるので、どうしても保守的になってしまう。関谷さんにはそのようなことはないのだろうか。

 「これまで好運にも4~5年に1回、新規事業を立ち上げてきたので、そのようなことはないですね。新しいことを始めようとすれば、謙虚に学ばなければならないですし、若い人の意見にも素直に耳を傾けます」

 つまり、中年になって「コンフォタブルゾーン」に居続ければ、保守化していくということだ。常に「進取の精神」で前に進んでいる人には、保守化している暇などないのだ。それこそシリアルアントレプレナー、「令和のヒットメーカー」と関谷さんが呼ばれるゆえんだ。

  
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