トランプの説得力に頼るのか?
米ワシントンポスト紙とABCニュースの共同世論調査(21年6月27~30日実施)によれば、「ワクチン接種を受けていない」及び「ワクチン接種を受けるか分からない」と回答した有権者のうち、「おそらくワクチン接種を受けない」「ワクチン接種を絶対受けない」と答えた者は、合計で74%に達しました。4月の同調査では55%でしたので、約20ポイントも上昇しました。ワクチン接種に抵抗する根強い層が存在することが分かります。
バイデン大統領にとって新型コロナウイルスのワクチン接種率70%が今、「壁」になっています。ホワイトハウスのある担当記者は、トランプ前大統領の力を借りない限り、ワクチン接種率が大幅に増加する可能性は低いだろうと指摘しました。
1月6日に発生したトランプ支持者による米連邦議会議事堂乱入事件後、トランプ氏の支持率は30%台まで低下しました。バイデン氏はワクチン接種率を高めるために、残りの約30%を攻略しなければなりません。
ワクチン接種を拒否し続けるトランプ支持者を説得できるのは、トランプ前大統領のみです。そうはいっても、バイデン大統領は「トランプのことはもううんざりだ」と語っています。そのバイデン氏がワクチン接種でトランプ氏に依存すれば、民主党及び無党派層から支持を失うことは明らかです。
従って、バイデン大統領がトランプ前大統領の説得力に頼る公算は低いとみるのが自然でしょう。
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