2024年7月27日(土)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2021年9月30日

左右するウクライナの動向

 プーチンはソ連邦の崩壊を「20世紀最大の地政学的悲劇」と言っており、ミニ・ソ連邦の復活を夢見ている可能性がある。プーチンのルカシェンコ支持は、苦境にある彼を取り込むことで、ロシアとベラルーシの国家統合を進めることを狙っていると思われる。

 ただ、ウクライナが国家統合に同意しない限りミニ・ソ連邦の復活はない。ウクライナがどうなるかがプーチンの夢の実現には決定的な影響を持つ。ドンバスなどその一部の取り込みを、ドンバスの住民にロシアのパスポートを発行するなど進めているが、ウクライナの主流はロシアに反発しており、その状況が続く限りプーチンの夢は夢に終わるだろう。

 そのためにもウクライナの主権を守ることは西側にとり極めて重要である。ちなみにウクライナの人口は約5000万、ベラルーシの人口は1000万足らずである。
 
 なお、ロシアでは、ソ連を崩壊させたことは誤りであったとする人が、プーチンの発言の影響もあってか、世論調査では今では多数派になっている。

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