2024年6月15日(土)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2021年10月26日

 サキ・ホワイトハウス報道官は、中国のCPTPP加盟申請後の会見で、合意に変更を加える必要があるという大統領の意見に変わりはないとしながらも、「バイデン政権はCPTPP加盟交渉の機会を検討する意思がある」と述べている。

アジア政策に高い経済の重要性

 バイデン政権発足時からCPTPP加盟を推す論調はあったが、中国の加盟申請により、中国に先んじて加盟しなければ中国がアメリカの加盟を阻む可能性が生まれ、決断が急がれる。中国はすでにRCEPの一員であり、CPTPP加盟が実現すればアジアの二大経済圏を支配することになる。アメリカが避けたい状況である。

 各種世論調査があらわす国民の貿易に対する姿勢、USMCAへの超党派での支持、そして中国に対する恐怖ともいえる国民感情は、国民や議会がCPTPP加盟を前向きにとらえる可能性を示している。アジア政策には経済の柱が必要なのはバイデン政権も強く認識しているだろう。

 バイデン政権はまずは国民生活の安定や向上といった内政を固め、10月末に1兆ドルのハードインフラと「ビルド・バック・ベター法案」ともいわれる歳出法案が可決されれば、国民感情や失業者数の減少、さらには英国の加盟交渉の進展と、日本が議長国である間にアメリカがCPTPP加盟を検討する条件が整うのかもしれない。

   
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