世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年1月7日

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 高価でない天然ガスへの短期的なシフトは、ゼロ炭素エネルギーへの転換を支持するために進展されるべき、より安い再生可能エネルギーと原子力を追求するインセンティヴを弱めるかもしれない、と指摘しています。

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 米国発のシェール・ブームは、何よりも、政情不安定なアラブの原油や、時として恫喝的外交手段に用いられるロシアの天然ガスへの依存が引き下げられる可能性があり、さらには米国の世界における相対的地位が高まるという、地政学的意義が重要です。

 ただ、シェールガスやシェールオイルについての論点は、数多くあり、その中でも、閑却されがちなのが、地球温暖化への影響なのでしょう。論説・社説は、12月にカタールのドーハで開かれたCOP18(気候変動枠組条約第18回締約国会議)を前に、それに危機感を表明したというわけです。

 しかし、各国が天然ガス一辺倒になるのではなく、エネルギー安全保障の観点からも、多角化を追求し続けると思われます。とりわけ、確立した技術である原子力利用促進の勢いは削がれないでしょう。新興国や途上国も原子力の導入を強く欲しています。動機は何であれ、原子力利用が進めば、温室効果ガス削減派の要求も、結果的に、満たされるということになります。

 現在、日本では、再生可能エネルギーの導入が盛んに言われていますが、再生可能エネルギーは長期的な課題であるとするレヴィの指摘は、傾聴すべきでしょう。

[特集] シェールガス革命が世界にもたらす影響とは?

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