以上のように米中双方とも中国企業の米国での資金調達抑制の方向に動いている。これまでのところ、米国の中国株に対する投資意欲は旺盛であるが、中国と米国の資本市場との間の分断に伴う投資家のリスクは高まっており、変化もあり得よう。しかし、中国には意に介するところはないようである。
DiDiが代わりに上場した先は
中国には米国との分断の環境にあっても中国企業の伸長を図る自信があるということのように思われる。企業の成長には自由な環境が重要であり、企業行動に制約を課すことはマイナスに働くであろうが、それは心配してやることでもない。
なお、FTの論説にも言及があるが、DiDiがNYに代えて香港に上場することを可能にした事情には、香港の植民地化が終わったことがあるかも知れない。中国にとって香港の金融センターとしての価値は高まるかも知れない。