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この温泉には、アレをやりながら食事ができる和風の座敷があり、そこから眺める風情あるお庭がとっても落ち着くの。四季折々で違う表情を見せてくれるお庭。古木には似つかわしくないような勢いのある大きな赤茶色の柘榴(ざくろ)の実がこっちを覗いているように見えたり、ときには紅白の対をなした彼岸花が石庭の奥に眺められたり……。
で、さっそく露天風呂にレッゴー!
降りしきる雪ん子さんに大口をあんぐりと開けて、そのひんやりとした雪粒を受け止めながら天空を仰ぎ見る雪見の露天風呂は、もうチョー最高!
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「来てよかったね!」
「うん、ありがとね!」
「お父さん、もう一杯どうぞ」
「うん、ありがとね」
「娘と二人っきりでこんな時間がもてるようになったんだなぁ」と、妙なうれしさというか、なんともいえない感慨にふけりました。
で、お庭を借景にアレをやっている私を唯風子ちゃんがパチリ。
「お父さんとお風呂に入るの、今日が最後ね」
娘とお風呂といえば、少女のころにこんなことがありました。
「おい、風呂に入るぞ!」と、帰宅した私はまず子どもたちに声がけし、3人の我が子と入るのが常でした。
あるとき娘が風呂場で背を向け、ぽつりといいました。
「お父さん、お父さんとお風呂に入るの、今日が最後ね」と。
おもいもかけない娘からのひとことに、私はうろたえました。
そして、そのひとことを発した娘を振り返り、背を見て「ゾクッ」としました。