グループとしては、ペットと泊まれる施設の拡大や、季節のイベントでは交通機関までも利用できるようにしています。また、トリミング中心の店舗ではサロンならではの美容・健康に特化した飼い主目線のサービスや商品を取りそろえています。
国内に飼い主とペットが一緒に利用できるインフラを充実させるため、また、社会に向けてこの動きを啓蒙するためのモデルケースを創るためにグループ挙げて実践している、とても貴重な取り組みです。
繁殖・流通の改善を目指す
生体販売はこの業界の中核となっている分野ですが、繁殖・流通の過程でおきる非道徳的な問題が指摘され続けていることも忘れてはいけません。特に感染症と遺伝疾患は購入者の直接的な不利益に繋がるだけではなく、同じ環境下に置かれる他の個体の命にもかかわるため大きな問題となっています。
ペット(コンパニオンアニマル)を扱う日本最大手の㈱AHBでは、このような問題を解決するべく動き始めました。http://www.bioplus.jp/index.php?FrontPage
劣悪な環境での繁殖や親犬の管理は、商品としての子犬の健康を損ね、上記のような問題を引き起こします。この会社では提携ブリーダーに対して親犬の管理を徹底させるためのセミナーや、感染症検査、動物医薬品の販売、人工授精による繁殖の補助などをサービスとして提供しています。また、全国87店舗ある直営店で扱う生体を、ISOを取得している国内5カ所のセンターで管理し、健康状態の検査を行い、検査証を発行したのちに販売を行っています。
繁殖者の意識向上は、この業界において非常に有意義であると感じます。昨今の生体の販売量低下によって値崩れも起きています。より良い生体を作ることは、そんな流れを食い止めることもできます。
また輸入が困難な短鼻種の犬などの精子の状態で輸入、国内でのブリーディングは、国内繁殖によって近似化した遺伝子を薄めるためのきっかけにもなりえると感じます。
更に進んで遺伝疾患を持つ親の繁殖制限や、必要最低限の繁殖数管理、劣悪繁殖者の駆逐、仔犬・猫の社会化促進までを行い、良い流通の仕組みを創っていただきたいと切望しています。
業界スタッフの教育
ペットショップで働くためには、ペット関連の専門学校で学ぶことが必要と考える方が多いようです。ペットショップでの仕事は、動物に特化した知識や技術が必要な、いわゆる専門職といえる内容が多くあります。ライフステージや季節による動物の管理の方法や繁殖の知識などを基に、顧客ごとに対応したアドバイスや商品・サービスの提供が必要とされるからです。