2022年7月2日(土)

新しい〝付加価値〟最前線

2022年2月5日

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多賀一晃 (たが・かずあき)

生活家電.com主宰

スマート家電グランプリ審査員。主催する『生活家電.com』を通じ、家電の新製品情報、使いこなし情報他を発信中。過去、某メーカーでAVメディアの商品企画を担当、オーディオ、光ディスクにも精通。また米・食味鑑定士の資格を有する。水、米、パン、珈琲、お茶の味に厳しい。

欧米に輸出していなかった東芝ブランドの白物家電

 日本大手メーカーの家電は世界の隅々まで行き渡っているというイメージだが、実はそうではない。東芝LSは、これから東芝ブランドの白物家電を、日本だけでなく世界に販売することもタスクとなる。

 意外にもマイディア傘下に入る前の東芝LSの海外進出は、タイ、マレーシア、ベトナム、香港だけ。日本であれほど有名な東芝がアジアエリアだけとは……。

 やはり、家電市場で勝とうとすれば、高級家電で利を上げなければならない。マイディアは、その高級家電市場が欲しいからこそ、東芝を買収したわけだ。当然、欧米へも考慮されている。これは東芝時代より、完全なビッグビジネス。やりがいがあるはずだ。

海外と日本の白物家電の市場差

 一方、海外市場に馴染むにつれ、日本市場に違和感が出てきたそうだ。それは、新製品のサイクルスパン。日本の場合、家電の新製品サイクルは1年。しかも、マイナーチェンジでなく、フルモデルチェンジ。日本はこれを繰り返して来た。理由の一つは店頭棚、スペースの確保だ。他社がモデルチェンジして、自分達がモデルチェンジしなかった場合、他社に自社棚・スペースを取られることがある。それをさせないために、新製品を出し続ける。いつの間にか、それが常態化してしまったのだ。

 海外では、一旦新製品で出したら、数年は並び続ける。サイクルスパンが長いので、しっかりユーザー情報を取り、技術を研ぎ澄まし、欠点を直し、モデルチェンジをする。日本とは全くサイクルが違うのだ。

 いずれにしても、東芝LSは東芝時代より、いいポジションにいると言える。設計は日本、技術は日本、中国の研究所からも引っ張ってくることができる。生産技術は、マイディアで、規模も大きい。コストダウン効果も十分期待できる。なによりも、マイディアが自主性を認めてくれていることが大きい。買収されると、欲しいところだけ抜かれて捨てられるよとよく言われるが、マイディア傘下の東芝LSは、新たな進化の可能性を感じさせてくれた。

  
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