武力による国境変更は、戦後国際秩序の基本に対する最大の挑戦だ。プーチンの要求の多くは、度を越えており、国際ルールに整合しない、前時代的なものだ。
プーチンが仕掛けてきている二つの理由
話し合いが不調に終われば、ロシアは、①ウクライナへの武力行使(大規模あるいは小規模)、②内乱・ゲリラ戦争化、③親欧政権転覆・親ロ政権樹立、④ジョージア南オセチア・アブハジア化などを考えているのではないかといわれる。
何故プーチンは今執拗に挑戦して来るのか。ひとつには、プーチンは東西ドイツ統一交渉時に米国がNATOの東独以遠への東方拡大はしないことを約束したと長年言い続けてきた。しかし、そのような合意文書は存在しない。
第二に、アフガニスタン撤退などにみられるバイデンの関与撤退傾向がプーチンを大胆にさせているかもしれない。また英の欧州連合(EU)離脱などによる欧州の弱体化も影響しているかもしれない。更に心配なことに、プーチンは、エスカレーションの主導権を握っていると感じて強気になっていると思われる。