それら2セットの経済政策には、別々のルールが適用される。これは国際法上も許容されている。世界貿易機関(WTO)や経済協力開発機構(OECD)が定める制度において、安全保障に関連する経済活動は各々の機関が定めるルールの対象外と規定されている。関税率賦課も、企業の海外拠点設置も、直接間接投資も、政府の補助金支給も、安全保障に関する限り、各国は独自のルールを適用できる。
法制化に欠かせぬ視点
いかに「抑止」につなげるか
現在わが国で、経済安保のための法律案が検討されているが、さまざまな国内の法制度や商慣行について、安全保障の観点から、本来の経済産業政策とは別のルールの適用が検討されるであろう。「外為法」、「財政法」、「独占禁止法」、「特許法」などにおいて、特別の規律の適用が検討されよう。産業界で企業に求められるコーポレートガバナンス・コードについても、……
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