2022年10月1日(土)

Wedge SPECIAL REPORT

2022年3月2日

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片野 歩 (かたの・あゆむ)

水産会社社員

東京生まれ。早稲田大学卒。2015年水産物の持続可能性(サスティナビリティー)を議論する国際会議シーフードサミットで日本人初の最優秀賞を政策提言(Advocacy)部門で受賞。1990年より、最前線で北欧を主体とした水産物の買付業務に携わる。特に世界第2位の輸出国として成長を続けているノルウェーには、20年以上、毎年訪問を続け、日本の水産業との違いを目の当たりにしてきた。著書に『日本の水産資源管理』(慶應義塾大学出版会) 『日本の漁業が崩壊する本当の理由』『魚はどこに消えた?』(ともにウェッジ)、『日本の水産業は復活できる!』(日本経済新聞出版社)、「ノルウェーの水産資源管理改革」(八田達夫・髙田眞著、『日本の農林水産業』<日本経済新聞出版社>所収)。

「Wedge」2022年3月号に掲載され、好評を博している特集「魚も漁師も消えゆく日本 復活の方法はこれしかない」記事の内容を一部、限定公開いたします。全文は、末尾のリンク先(Wedge Online Premium)にてご購入ください。
MIHTIANDER/GETTYIMAGES
 

 「記録的不漁」「こんなに獲れない年は今までない」──。サンマ、サケ、スルメイカ、ハタハタ、イカナゴ、シシャモをはじめ、日本中で魚が獲れなくなったという報道が続いている。「過去最低を更新」という言葉にも、多くの日本人はもはや慣れきってしまっているのではないだろうか。

 事実、日本全体の水揚げ量は減少し続けている。1980年代の約1200万㌧をピークに減り続け、2020年では約400万㌧と往時の3分の1となってしまった。

 魚が減少している原因として、①海水温上昇(数十年間隔で起きる地球規模の海洋変動「レジームシフト」を含む)、②外国船による漁獲、③海の変化により獲れる魚が変わる「魚種交代」、④鯨による食害などが挙げられている。確かにそれらが影響していないわけではない。だが、それぞれを科学的根拠に基づき国際的に議論されている事実から俯瞰すると、いかにわれわれが「魚が減った本当の理由」を、大きく〝誤解〟しているかが分かる。本稿では、客観的な事実を基に、具体的に解説する。「間違った前提による政策」では日本の漁業が再興せず、将来に大きな禍根を残すことになる。

 「日本」という限られたフレームで見ると、漁業や水産業は、高齢化による後継者不足で、水揚げ量の減少に伴い収入も減ってしまった、大変な一次産業と映る。かつては魚がたくさん獲れて海は豊かだった──。そんな「昔は良かった」という想いが全国津々浦々に残っている。「今年こそは」と臨んでみても、残念ながら水揚げ量は回復するどころか、むしろその逆である。

 なぜ魚が獲れないのだろうか。それは、……

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Wedge 2022年3月号より
魚も漁師も消えゆく日本
魚も漁師も消えゆく日本

四方を海に囲まれ、好漁場にも恵まれた日本。かつては、世界に冠たる水産大国だった。しかし日本の食卓を彩った魚は不漁が相次いでいる。魚の資源量が減少し続けているからだ。2020年12月、70年ぶりに漁業法が改正され、日本の漁業は「持続可能」を目指すべく舵を切ったかに見える。だが、日本の海が抱える問題は多い。突破口はあるのか

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