2022年11月29日(火)

Wedge SPECIAL REPORT

2022年4月10日

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岩尾俊兵 (いわお・しゅんぺい)

慶應義塾大学商学部 准教授

1989年、佐賀県生まれ。慶應義塾大学商学部卒、東京大学大学院経済学研究科経営専攻修士課程修了、同科マネジメント専攻博士課程修了。慶應義塾大学商学部専任講師を経て現職。主著に『日本“式”経営の逆襲』(日本経済新聞出版)、『イノベーションを生む“改善”』(有斐閣)。

 「Wedge」2022年4月号に掲載され、好評を博している特集「デジタル時代に人を生かす 日本型人事の再構築」記事の内容を一部、限定公開いたします。全文は、末尾のリンク先(Wedge Online Premium)にてご購入ください。
イラストレーション・相田智之

 グローバル競争への危機感を持ち、外資系企業に対する日本企業の〝遅れ〟を取り戻すために最先端の経営手法への目配りを欠かさない──。一見すると優秀に見えるこのような経営者が、むしろ日本企業の経営を危機に陥れている可能性がある。日本は今、こうした矛盾に満ちた状況の真っ只中にある。

 このジレンマから抜け出すカギは、①経営技術のグローバル競争状況を把握すること、②この状況において日本企業が生き残るための「抽象化・コンセプト化」の能力(現場に根差した知識から論理的に必要なエッセンスのみを取り出して、論理さえ追えば誰でも分かる形に共通言語化する力)を磨くことの2つにある。

 そもそも経営とは「1人ではできないことを、他者の力を借りて実現すること」だ。1カ所に雑多な人間を集めるだけでは「経営体=組織」にはならない。そこには、誰がどんな仕事をして、別の誰かがどう支援する、といった「人の脳内プログラム=経営技術」が必須である。この「経営技術」があってこそ、企業に集まった人々が集団として統一的に動き、組織は個人の集合以上の成果を生み出せる。経営技術は、全社戦略レベルから、人事制度、細かなことで言えばオフィスにおけるコピー機の紙質選択まで、企業のいたるところに存在している。

 そのため、ペーパーカンパニーでもない限り、経営技術を持たない企業組織はなく、そこにあるのは経営技術の「巧拙の差」のみだ。だからこそ、企業が存在意義を保ち続けるには、自社の経営技術の強みを伸ばし、弱みは克服することで競合他社よりも世界的に高い水準に保ち続ける必要がある。

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