2022年11月29日(火)

#財政危機と闘います

2022年6月16日

»著者プロフィール
著者
閉じる

島澤 諭 (しまさわ・まなぶ)

関東学院大学経済学部教授

富山県生まれ。1994年東京大学経済学部卒業 同年4月経済企画庁入庁。調査局内国調査第一課、総合計画局計量班、調査局国際経済第一課等を経て2001年内閣府退官。02年秋田経済法科大学経済学部専任講師、04年10月秋田大学教育文化学部准教授。15年4月から中部圏社会経済研究所研究部長を経て、22年4月より現職。

独立財政機関の設置で0票世代の権利保護を

 このように、民主主義が選挙を通して世代間格差を生み強化し、さらに日本経済・社会全体に悪影響を及ぼすのであれば、投票以外の仕組みも民主主義にビルトインすることが重要であり、その最有力は、独立財政機関である。

 少子化、高齢化が進行する中にあっても、高齢者重視の政治の流れを是正するためには、投票コストの削減や政治不参加のコストの明示化を通して若者の政治参加を促し、その声を政治的意思決定過程に反映させることで若者世代の政治的影響力を確保することが重要である。同時に、政治的に中立な独立財政機関を設置し、民意に引っ張られがちな民主主義の外側から政府の財政運営に対する監視役とさせ、各政党の選挙公約が財政に与える影響や世代別の受益負担の変動を検証・公表することで、若者世代や0票世代の利益保護にあたらせる必要があるだろう。

全国民の代表者を選ぼう

 日本国憲法43条では、「両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する」と規定するように、国会議員は国民の代表であり、特定の支持母体の利害を代弁する代表(委任代表)とは考えていない。つまり、有権者は利己的に投票したとしても国会議員は、衆議院議員も、参議院議員も、全国民の代表として、国民すべてに目を配り、特定の世代に偏らずに政策を遂行しなければならないということだ。世界でも深刻な日本の世代間格差が一向に是正されない現状は、国会議員が与野党問わず日本国憲法が求める職責を果たしていないことを意味する。

 6月22日に公示され、7月10日に投開票されることが決まった第26回参議院議員選挙に臨んでは、従来通りに支持政党やその候補者を無批判に応援するのではなく、各政党や候補者が、日本国憲法が要請する全国民の代表としてこれまで行動してきたか、あるいは行動してくれそうかを、それぞれの公約や主張をよく吟味し投票してみてはいかがだろうか。

さらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください
PHP総研 PHP Policy Review(Vol.16-No.81) 世代会計からみた選挙棄権のコスト -20代は17.5万円の「損」-

  
▲「Wedge ONLINE」の新着記事などをお届けしています。

新着記事

»もっと見る