2022年7月1日(金)

新しい原点回帰

2022年6月17日

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磯山友幸 (いそやま・ともゆき)

ジャーナリスト

千葉商科大学教授(4月から)。1987年日本経済新聞社に入社。フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長などを務め、11年に独立。著書に『2022年、働き方はこうなる』(PHPビジネス新書)など。

前原慎史
前原光榮商店代表取締役
1973年東京生まれ。高校卒業後、米カリフォルニア州に留学。ビザが切れるぎりぎりまで滞在した後、97年に帰国し家業に入ったが、父が急逝したことで代表取締役に就任。

 「1本くらい本物の良い傘を持ちたいという方が着実に増えています」と語るのは洋傘製造販売の老舗、前原光榮商店の3代目、前原慎史さん。最近、東京・台東区三筋にあるショールームには、財布に余裕のある中高年ばかりではなく、若い女性などもやってくる。下町の香りが残る周辺に、お洒落なカフェやショップが増え、散策する若い人たちが増えたことも一因だが、それだけではない。

前原光榮商店の店舗

 日本では、1年間に1億2000万本から1億3000万本の傘が売られているが、そのうち約9000万本がいわゆるビニール傘。雨露を凌ぐためだけなら、このビニール傘で十分なわけだが、「良いもの」を求めるニーズは着実に高まっている、というのだ。

 前原光榮商店は前原さんの祖父が、傘屋の番頭から独立して1948年(昭和23年)に創業。来年で75周年を迎える。創業の時から、価格勝負の大量生産とは一線を画し、趣味に近い逸品にこだわり続けてきた。

前原光榮商店 年表

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