ある病気だけでガクッと自立度が低下する方もいるが、むしろ大多数の方々はこのフレイルの時期を経ながら弱っていってしまう。フレイル状態に進んでしまうと、転倒骨折や生活習慣病の悪化、多くの薬剤の併用、施設入所や再入院などのリスクも高くなり、要介護や死亡に至りやすくなる。
フレイルに気付き、予防することで
機能回復も可能だ
しかし、諦める必要はない。このフレイルの時期は可逆性があり、頑張れば確実にさまざまな心身の機能を戻せる時期なのである。高齢であっても、生活内容を前向きにアレンジし継続していくことにより、必ず手応えを感じることができる。
コロナ自粛の長期化で
高齢者の身体機能低下
一方、20年から始まったコロナ禍で、特に高齢者の自粛生活長期化による生活不活発を基盤とした筋肉減弱(医学的に「サルコペニア」と呼ぶ)および地域社会との社会性やつながりの低下が一段と進んでしまい、いわゆる〝コロナ・フレイル〟とも呼ぶべき負の現象が数多く報告されている。
筆者の研究によれば、……
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