「Wedge」2022年7月号に掲載されている特集「日本を目指す外国人労働者 これ以上便利使いするな」記事の内容を一部、限定公開いたします。全文は、末尾のリンク先(Wedge Online Premium)にてご購入ください。
航空自衛隊入間基地からほど近い工業団地に、金属の超精密加工で世界に名を馳せる企業がある。小金井精機製作所(埼玉県入間市)だ。工場内には、F1マシンや航空機に使用された部材が誇らしげに飾られている。
「最先端の技術になるほど、機械が行うと勘違いされることが多いが、実は最先端の技術はいつも人が生み出している」
鴨下祐介社長は、こう力説する。同社ではエンジニア270人中40人がベトナム人だ。「こうして取材を受けたりしなければ、日本人、ベトナム人と区別して意識することはもうなくなった」という。新たな付加価値を生み出すのは「人」だから、そこに人種は関係ないという発想だ。
同社が最初に外国人高度人材を採用したのは2000年のこと。労働人口の減少が目前に迫る中で、先手を打って4人のインド人学生を採用した。しかし、日本語の壁が大きく立ちはだかり、コミュニケーションに苦労した。結局、4年のうちに全員退社した。後になって日本での転職目的で入社したことも分かり、課題は言語だけではないことを知った。