2022年9月26日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2022年7月4日

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 これが債権市場の動揺を招き、イタリア国債の利回りは急上昇した。10年物国債の利回り(年初は1%)は急上昇して一時4%を超えたが(目下3.7%程度)、ユーロ圏の安定を不安視する向きもある。

耐えるしかない欧州

 こういう状況を見て、プーチン大統領はガス供給を絞り、特に脆弱なドイツとイタリアを標的に、市民生活を直撃し、インフレを煽り、欧州経済に圧力をかけ、厭戦気分を醸成することを思いついたに違いない。小麦もそうである。ロシアがオデーサの食料倉庫を攻撃・爆破したとの報道があるが、世界的な食糧危機を更に進行させ、その責任を西側になすりつけることを思いついたのであろう。

 欧州は耐えるしかない。ロシアの逆制裁を逆手に取ってエネルギーのロシア依存の脱却を急ぐしかないであろう。他方で、欧州連合(EU)はロシア原油の禁輸の徹底を急ぐ必要がある。

 ロシア原油は中国とインドが調達を拡大しており、米欧の禁輸の実効性が失われている印象である――このような事態を防ぐために、ロシア原油を輸送するタンカーに対する海上保険の付与の禁止でEUと英国が合意したはずであるが、その効果を検証する必要があろう。

  
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