2024年4月24日(水)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2022年7月19日

 慰安婦問題日韓合意の約束が一方的に反故にされたことは日本の不信になっている。韓国外交部は、廬武鉉政権迄共有してきた法的見解をもっときちっと司法府や政治家、国民に伝えるべきだ。

待つしかない韓国による努力

 文在寅政権が司法を関与させてしまったことに問題の発端がある。前政権の無謀さと無責任さは強調するに余りある。理論的には司法が新たな判決を出す以外にないのではないかと思わざるを得ない程、難解な問題となってしまっている。

 以前であれば、このような厄介な問題が起きた時は、両国の政治家や実業家等が仲介、触媒の役割を果たしたが、過去5年の日韓関係はそのような人々をも疎外し、両国間のコミュニケーションは回復し難い程細くなっている。残念である。

 なお7月1日、尹錫悦大統領は、帰国途中の機上記者懇談で「歴史問題が両国の間で進展がなければ懸案と未来の問題に対しても議論できないというそのような考え方はやめなければならない」とし、「すべて一緒に議論することができる」、「歴史問題と両国の未来問題はすべてひとつのテーブルにのせて一緒に解決していかなければならない」と述べたという。

 それに異存はないが、その中であっても労働者問題と慰安婦問題を先行解決しなければ前に進むことは難しいだろう。今回ばかりは韓国側の一段の努力と想像力に依存する他ない。

   
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