ペルチェ素子クーラー(熱交換器系ガジェット)
さて、最後に「ペルチェ素子」のみのモデルだ。最も小型に設計できるため、最も期待されているクール・ガジェット。有名なのは、ソニーの「REON POCKET 3」。2019年にクラウドファンディングではじまったモデルの3代目になる。
「REON POCKET3」のポイントは徹底して、ビジネスシーンに溶け込むように設計されていることだ。ビジネスシーンに溶け込むというのは、クールビスでない昔ながらのジャケットありのサラリーマンスタイルでも違和感がないということ。
これを踏まえた「REON POCKET 3」は本体、樹脂製ネックバンド、専用シャツで一つのしすてむとして構成されている。ペルチェ素子は適切な部位に接触しなければ効果が薄い。このため、シャツの背部内側に浅いポケットを設け位置を定める。ただし完全なポケットにしてしまうと、ペルチェ素子を直接肌に当てることができない。このため、ポケットが数ミリの浅さ。それをうまく、ネックバンドで支える。
シャツを身につけてみると、さすが専用モデルだけあり、外からは見えない。ソニーのいいところはセンシング技術。センサーコントロールで冷やし過ぎない。一方、課題も多い。まず、取り付けが難しい。シャツが後ろに引っ張られ気味なので、着心地がイマイチよくない。服は古代から連綿とリファインされた文化。これをシステムにスマートに入れ込むにはなかなか難しい。
デジタルデバイスを使う上で、服の選択はとても重要
以上4種類のクールデバイスを紹介したが、使いこなしという意味では、服に注意したい。
ファン付きウェアのところでも書いたが、ファン付きウェアは風の流れを利用する。これを邪魔されると、効果が半減する。
素材、機能も重要だが、襟ぐりの形も重要。特にペルチェ素子は、肌に接触するのが前提なので、十分開いていることが必要。
機能性ウェアという意味では、ユニクロの「エアリズム」は有名だが、スポーツブランドも負けてはいない。特に、夏環境が変わったので、夏でも快適にスポーツできるウェア開発は至上命題なのだ。また、炎天下で作業をする農業、工事など、ガテン系ウェアも機能性ウェアを模索している。デバイスだけでなく、それの機能を十分引き出すウェアもに注目したい。
いずれにせよ、自分に合ったスタイル、素材を見つけることがポイント。自分の生活スタイルを考えながら、上手に取り入れてほしい。
記事中に「空調服」との記述がありましたが、「空調」(登録第4697002号)および「空調服」(登録第6072017号、登録第6425243号)は、株式会社セフト研究所及び株式会社空調服の登録商標でした。「ファン付きウェア」に修正しました。訂正してお詫び申し上げます(編集部)