2023年2月8日(水)

新しい〝付加価値〟最前線

2022年7月25日

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多賀一晃 (たが・かずあき)

生活家電.com主宰

1961年生まれ。慶應義塾大学理工学部卒、同理工学研究科修了。大手メーカーにて商品開発・企画を担当後、独立。現在、商品企画コンサルティング ポップ-アップ・プランニング・オフィス代表。

ファン付きウェア(風系ガジェット)

アイリスオーヤマ社製ファン付きウェア。製品名「クールウェア」。2022年モデル

 腰のところに2つもしくは4つの小型ファンを設けたベストもしくは、ジャンパー型のウェアだ。背中から風を送り、体を冷やす。ファンは携帯充電用のバッテリーで動かすことができる。元々は、長時間同じ姿勢を取る人のために考えられた。工事現場の交通誘導の人たちなどだ。

 風は腰から、脇の下、手首、首筋を通り、外へ逃げる。ポイントの一つは、脇の下、手首、首筋の風通しをよくすること。この部分は、太い血管が体表近くにあるので、効果的に体温を下げられる。あと、ファン付きウェア自体は、吸湿性がない素材でできていることが多いので、下着が必要。この下着だが、二枚重ねの下部分になるわけで、汗対応は不可欠。木綿でなく、最新の機能性繊維がお勧めだ。色々なマーカーを試したが、フリーズテック社の製品は、機能性繊維の上に、水分で体を冷やす薬材がプリントされており、より冷える感じがする。

 私も昨夏に使ってみたが、クールで快適というよりは、酷暑でも耐えられますという感じ。エアコンの風のような低温を期待するとあてがはずれる。ただし、新しい製品で、まだまだ開発余地はあると考える。

 長所は、システムが服にきちんと付いているので、両手を自由に使えることだ。涼を取るのに片手をつぶさないですむというのは、とてもありがたい。

 一方、短所というか、直すべき課題は多い。一番大きいのは、動くと風の通り道が塞がれてしまい、涼しくなくなる時があることだ。また一般の人が着て歩くにはちょっと物々しい。音も改良点だ。ハンディ扇風機はファン一つだが、こちらはダブル。音はより気になる。またバッテリーの持ちの問題もある。

 今の時点だと、どちらかと言うとガテン系。このためホームセンターに強い、ワークマン、アイリスオーヤマなどがラインナップしている。

ネッククーラー(熱交換器+風系 ハイブリット)

FC REACH社製ネッククーラー。2021年モデル

 こちらは、「ペルチェ素子」を使った清涼デバイスだ。「ペルチェ素子」は電気を流すと片面で吸熱、片面で発熱するデバイス。このデバイスを肌に密着させ涼を得ることができる。保冷剤を顔に当てて、涼むのと同じだ。

 ところで、熱射病になったら、どこを冷やせばいいのかご存知だろうか? 前頚部の両脇、腋窩部(脇の下)、鼠径部(大腿の付け 根の前面、股関節部)が、三大部位だ。この部位は、太い血管が体表近くまで出ているので、効率よく血液を冷やせる。人間の体の60%は水分。血液の中にも大量に含まれる。このため血液を冷やしてやれば、効率よく体温を下げることができるわけだ。

 ネッククーラーは、「ペルチェ素子」を首に当て、頸動脈近くを冷やすガジェットだ。温度が低いため前述のファン付きウェアとは比べ物にならない。ところが問題もある。一つは冷やしすぎると、体に問題がでてくること。そして、首はよく動く部位なので、だということだ。今のところ、首に固定するには、チョーカーのような特殊な治具を作る、マフラーのように巻き付ける、オーバーヘッドホンを外した時のように、首に引っ掛けるなどが考えられる。ここで採用されたのは、首に引っ掛けるデザインだ。

 首の付け根の位置に「ペルチェ素子」を当て、ヘッドホンの部分にミニファンを仕込むことで、風でも首周りを冷やそうという考えだ。

 使ってみると確かに効果はある。しかし、同時にいくつかの問題も見えてくる。1つは、「ペルチェ素子」は肌に触れていないと効果を発揮しないが、やはり首は動きが激しい。常に理想的な位置にはないこと。

 もう1つはファンの位置だ。近接の割に涼しくないというか、自分が欲しいと思うところに風がこないという感じがする。その上、耳に近い分うるさい。

 完成されているようで、まだ課題が多い。


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