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2022年7月26日

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江口祐子 (えぐち・ゆうこ)

AERA with Kids元編集長

1970年、埼玉県生まれ。日本女子大学卒業後、オレンジページで生活実用誌、アスコムで学習や健康系書籍などを担当。2009年から「AERA with Kids」(朝日新聞出版)の編集に携わり、18年から編集長を務める。取材した教育者、経営者、起業家等の数は700人以上。21年に独立し、エディットプラン合同会社を設立。企業のPR活動、出版プロデュースなども行う。著書に『子育て本ベストセラー100冊の「これスゴイ」を1冊にまとめた本』(ワニブックス)。

 仕事の成果だけを褒めることは、「その成果を出しているあなた」を認めるということ。実は、本人にプレッシャーを与えてポテンシャルを上げているのです。

危険をはらむ3つのほめ方

 実は、子育てにおいて「褒めて伸ばす」は諸刃の刃なのです。なぜか。以下にまとめます。

1.「褒める」には、褒める側の「こうあってほしい」という主観が入る
 褒められると、褒められた側は「そうあらねばならない」というメッセージを知らず知らずのうちに受けとります。「100点取ってすごいね」「頭がいいね」などと褒めると、親の期待通りの成績を取らなければ、というプレッシャーを子どもに与えかねません。「お兄ちゃんだから強いね」「頑張り屋さんだね」と言った性格を褒める言い方も、「そうであらねば」という気持ちになりやすいのです。

2.本当にちゃんと見てくれているのかな?と不安になる
 とりあえず「すごい!」「えらい!」と褒める人がいます。もちろん、本当にすごいのであれば言うことは悪くありませんが、大袈裟な言葉だけを言う人を子どもはあまり信用しません。「本当にちゃんと見てくれているのかな?」と不安になったり、「どうせこの人は言葉だけなんだろうな」と信頼感を下げたりしてしまうことも。

3.「また褒められたい」と思ってやることは本人の自主性を奪う
 そして最も重要なのがこれ。幼児期の習慣づけなどには、「褒められたいからやる」という動機づけはかなり有効です。しかし、将来的に目指したいのは、自分でやることを決められる人になること。「親に褒められたいから大学に行く」「上司に褒められたいから仕事をする」という人間ではないはず。他人の評価に左右されないで行動できる力をつけることが大事です。

 こう書くと、「もう何にも褒めらないじゃないか!」と思う方もいるかもしれません。確かに、「すごい」「えらい」と褒めるのもダメ、テストの点数を褒めるのも性格を褒めるのもダメ、となったら一体どうしたらいいの? となります。

 上記の3つの褒め方は「ダメ」ではなく、「それだけに偏ることに注意」ということなのだと思います。実際に人は子どもも大人も褒められたいんですから。「褒め」は人を動かす強い力があることは確かです。

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