2022年8月18日(木)

冷泉彰彦の「ニッポンよ、大志を抱け」

2022年7月29日

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冷泉彰彦 (れいぜい・あきひこ)

作家・ジャーナリスト

ニュージャージー州在住。作家・ジャーナリスト。プリンストン日本語学校高等部主任。1959年東京生まれ。東京大学文学部卒業。コロンビア大学大学院修士。福武書店(現ベネッセコーポレーション)勤務を経て93年に渡米。近著に『「反米」日本の正体』(文春新書)など。メールマガジンJMM、Newsweek日本版公式ブログ連載中。週刊メルマガ(有料)「冷泉彰彦のプリンストン通信」配信中。

 日本では、新型コロナウィルス「第7波」が猛威をふるっている。この間、2021年末から世界では、変異株の一種であるオミクロン株を中心とした感染拡大が主となっている。

日本の新規感染者数は増えているが、取りべき対策は変わってきている(つのだよしお/アフロ)

 オミクロン株が最初に報告されたのは南アフリカで、その後は欧州経由で拡大したとされている。このオミクロン株による感染拡大は、筆者の住む米国と日本のタイミングはほぼ重なっている。

米国との比較で見える日本のコロナ対策

 第一のピークは、22年1月であった。米国の場合も、同じように22年1月にピークがあったが、この時点では米国の感染拡大は顕著であった。米国の場合は、最悪期には1日平均80万人の新規陽性者の報告があり、人口10万人あたり242人という深刻なものだった。一方で、日本の同じ時期のピークでは、1日10万人の新規陽性となっていたので、人口10万人あたりでは77人と米国の3分の1であった。

 では、今回のBA.4/5型による感染拡大だが、これは米国の場合は拡大が少し早く、5月末から増えてきている。これにやや遅れて日本での感染拡大が広まっている。

 米国の場合は、1日平均13万人の新規陽性者というレベルで高止まりしつつ、本稿の時点では沈静化の兆候が出ている。人口10万人あたりでは39人という水準だ。一方で、日本の場合は7月28日時点での1日の新規陽性者は23万人、人口10万あたりでは176人と米国の4倍強という状況だ。こう申し上げると、20年以来ずっと、人口比では米国の10分の1以下の感染率で推移していた日本が、ここへ来て厳しい状況に立ち至っているように見える。

 けれども数字に惑わされてはいけない。重症者ということで比較すると、7月28日時点で日本の重症者は346人に過ぎない。米国の場合は、最新の入院患者数が4万3000人で、集中治療室での管理が約4900人であるから、日本は重症化を極めて抑制できている。

 さらに言えば、累計の死者は、米国が100万人を超えている一方で、日本は3万2000人と、人口比で換算しても10分の1である。依然として、日本はコロナ対策の超優等生であると言える。

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