ジョージア州連邦上院選の行方
世論調査で定評のあるファイブサーティエイト(FiveThirtyEight:538)の調査(22年10月18日発表)によると、ワーノック候補の支持率は50.0%、ウォーカー候補は48.4%で、1.6ポイント差である。9月9日の同調査では、ワーノック候補のリードは1ポイントであった。支持率を見る限り、共和党はオクトーバーサプライズの影響を最小限に抑えている。
ただし、ウォーカー候補の好感度は明らかに低下した。エコノミストとユーガヴの共同世論調査結果(同月16~18日実施)を見ると、同候補に対して33%が「好感を持っている」、36%が「好感を持っていない」と回答し、非好感が好感を3ポイント上回った。前回の調査(同月8~11日実施)では、好感が非好感を1ポイントリードしていた。
また、白人有権者におけるウォーカー候補の好感度も下がった。前回の調査において、好感が非好感を6ポイント上回っていたが、今回の調査では好感と非好感の差が、わずか1ポイントまで縮まった。オクトーバーサプライズの影響を受けたことは否めない。選挙終盤戦における支持基盤の好感度低下は、痛手になるかもしれない。
このような状況において、ウォーカー候補は10月16日のTV討論会を欠席した。同候補には、中絶疑惑でさらなる攻撃を受けるのを回避する意図があったのだろう。
たとえそうであっても、支持率で追う立場のウォーカー候補は、討論会に参加すべきであったのではないだろうか。ワーノック候補に否定的なオクトーバーサプライズが起きなければ、同候補が逃げ切るかもしれない。