2024年4月20日(土)

冷泉彰彦の「ニッポンよ、大志を抱け」

2022年11月25日

野球人気を落とす危険性も

 米国のMLBはここ数年、改革に忙しい。ポストシーズンのフォーマットを変えたり、延長戦には「タイブレーク」として無死2塁からのイニング開始としてみたり。来年からは投球間隔の時間制限やベースのサイズ拡大なども導入される。

 理由は簡単で、米国の場合は4大スポーツ(野球、アメフト、バスケ、アイスホッケー)の牙城に5つ目の競技としてサッカー人気が高まっているからだ。野球人気に翳(かげ)りが見えるからこそ、試合のスピードアップなどの改革が急務となっている。大谷翔平選手の二刀流が、ルールや記録の面でアッサリ認められたのも、同じ理由である。

 日本の場合は、今回のサッカーワールドカップ(W杯)カタール大会で日本代表が強豪ドイツを初戦で破るという快挙を成し遂げたことから、改めてサッカー人気が盛り上がる可能性が出てきた。少子化が加速する中で、スポーツ人材の獲得は各競技ともに厳しくなるということもある。

 日本の野球界はもっともっと危機感を持って、ファンを大切にし、透明で円滑な運営を心がけねばならない。その意味で、今回の新球場問題は余りにもお粗末である。

   
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