日本就労のために渡航前に支払いが必要な金額とは?
報道でお馴染みのようにベトナム人やネパール人の技能実習生も同様に多額の費用と負担して訪日している。5年前にカトマンズ近郊の村で聞いた話では日本で仕事をするためには1万~1万5000ドルをエージェントに払い込むのが相場であった。
日本の政府機関の調査では数年前の時点でアジアの技能実習生は渡航前に平均75万円の借金をしていたという。昨年の入出国管理庁の聞き取り調査では借金は平均55万円だった。自己資金含めて実際にエージェントに支払った平均金額は統計数字が見つからない。
特定技能と技能実習生でも異なるだろうし、出身国や地域によっても異なるだろう。例えばデンパサール近郊で聞いた話では渡航前費用(日本語授業料、寮費、教材、受験料含む)は、30万円~40万円+航空券というようなケースもあるようだ。フィリピンには日本の老人介護施設団体が運営している日本語学校があった。おそらく似たような運営形態の日本語学校で学べば本人負担は比較的少ないであろう。また上記の医療福祉系大学も日本の受け入れ側と提携しているので費用は抑えられるだろう。
アブナイ感じの元技能実習生のヤバそうな儲け話
ウブドの目抜き通りで、日本語で話しかけてきた29歳の青年の話を思い出した。彼は茨城県の農家で技能実習生として3年働いて数年前に帰国。最低賃金の時給でいくら真面目に働いても借金を返済したら手元にほとんど残らない訪日後まもなく悟ったという。
そこで仲間から紹介された東京の日本人の配下で週末のアルバイトをした。新宿や池袋の繁華街で店の呼び込みのようなことをしていたらしい。どうも他にもあぶない仕事をしていたような感じだった。週末は新宿近くのインドネシア人数人が雑魚寝しているアパートをねぐらにしたという。こうして彼は3年で600万円貯めたと豪語した。
彼は最近ビジネスの元手資金を稼ぐために例の東京の日本人と組んで日本の建設業界にインドネシア人を送り込む仕事を始めたという。1人紹介すれば最低でも10万円になるので100人紹介して1000万円稼ぐのが目標だと言った。
やはり現行の日本の外国人就労制度には深い闇があるようだ。