2024年7月15日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2023年5月12日

 台湾は、米ソ冷戦時代のベルリンのような役割を米中冷戦においては果たすと考えられる。自由民主主義体制陣営と専制主義陣営に分断されつつある世界において、台湾は最前線に立つと言って過言ではない。マクロンの台湾に対する認識は相当問題があり、主要7カ国(G7)広島サミットの際には、彼に台湾の重要性を印象付ける必要があるだろう。この論説の議論はそのために使い得ると思われる。

人権問題は国際関心事項

 中国は台湾問題を中国の内政問題としているが、これはそうではない。中国はチベット、ウイグル地区で酷い人権侵害をしている。香港でもそうである。人権問題は、南アフリカのアパルトへイトのように、戦後の国際秩序の中では国際関心事項とされており、台湾を中国が併合した後には2400万人の台湾人の人権が侵害されることが目に見えている。台湾問題はそういう観点から内政問題とされるべき問題ではない。国際的関心事項と言える。

 中国は、世界は発展しようとしている国とそれを封じ込めようとする米国をはじめとする勢力との間で分断されているのであって、自由民主主義と専制主義との間で分断されているのではない、われわれ(中国)も民主主義であるという論理を展開している。しかし人権尊重をしない民主主義はあり得ないのであり、この点を強く主張していくことが中国に対抗する上でも必要なように思われる。

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