2024年7月19日(金)

日本の漁業 こうすれば復活できる

2023年5月16日

激減したスケトウダラの原因は何か?

 下のグラフは、北海道の日本海側のスケトウダラの漁獲量推移です。典型的な右肩下がりです。ところで、当時このスケトウダラ資源が減少しているのは「韓国漁船」による漁獲が原因といわれていました。

スケトウダラ 日本海北部系群水揚げ推移
(注)オレンジ色が韓国船の漁獲量で他は日本漁船の漁獲量
(出所)水産研究・教育機構 写真を拡大

 韓国漁船の漁獲量は「オレンジ色」の部分です。200海里の制定後も、韓国漁船は同漁場での漁獲が可能であったため、割合は低いながらも、日本の漁獲量に影響してはいました。

 韓国漁船の排斥が求められ、ようやく1999年に出て行くことになりました。漁獲量の減少は、韓国漁船が原因とされていたので、当然99年以降は、漁獲量が回復するはずでした。ところが、99年以降の漁獲量推移は、「回復どころか激減」してしまいました。

 この例は、東カナダのマダラ資源崩壊と同じで、自国の乱獲を棚に上げて獲り続けた結果ではないでしょうか? 早い段階で有効な資源管理のための手を打たないと、そのツケを払うためには数十年の年月がかかることになってしまいます。

まずは「乱獲」を認めることが第一歩

 この記事で理解していただきたいことがあります。それは、魚が減った理由を中国や韓国などの「外国」に責任転嫁するのは非常に安易だが、問題の解決にはならないということです。

 資源管理に成功している、ノルウェーをはじめとする国々でも、乱獲の苦い経験もあれば、隣国の漁業の問題も存在します。しかしながら、日本との大きな違いは「乱獲」を認めて、その対策を科学的根拠に基づいて取っているかどうかの違いなのです。

 自国の問題を他国に責任転嫁するのは容易で、実態を知らない方々から賛同も受けやすいです。しかしながら、水産資源だけでなく、さまざまな国際問題において、それが解決にならないことは歴史を通してわれわれ日本人は学んでいるはずです。

 国は「国際的に見て遜色のない資源管理」を目指しています。やるべきことは、TAC(漁獲可能量)の対象魚種増加を始め、国が進めようとしていることに対して、正しい知識を基にそれを推し進めていくことではないでしょうか。

連載「日本の漁業 こうすれば復活できる」では、日本漁業にまつわるさまざまな課題や解決策を提示しております。他の記事はこちら

 
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