最近の米世論調査で、民主、共和両党を支持しない無党派層がとくに増えつつあることが明らかになった。接戦が予想される来年大統領選の結果に重大な影響を及ぼすことは避けられず、その動向に多大な関心が高まっている。
二大政党制はすでに時代遅れか
伝統ある米世論調査機関「ギャラップ」社は、1991年以来、有権者1万人を対象に電話聞き取りによる政党支持動向調査を定期的に実施してきた。
それによると、2004年当時、「民主党」支持35%、「共和党」支持33%、「無党派」31%だったが、その後は毎年のように無党派層が増え始め、今年3月時点での無党派層はついに49%にまで達した。そして、民主、共和両党の支持率(いずれも25%)を大きく上回ったことが明らかになった。
既存政党にくみしない無党派が、両党合わせた支持層とほぼ横並びになったことを示しており、米国政治風景が大きく変わりつつあることを示している。
今回の調査結果について、政治メディア「Axios」は、「増大する無党派層は今後もさらに2大政党制の存在を脅かし続けると同時に、今の政治の二分化がいかに脆弱かを暗示している」と指摘した上で、「ギャラップ」社アナリストのジェフ・ジョーンズ氏の以下のようなコメントを紹介している:
「無党派層の増加は、主として若年世代の意識の変化に起因している。若者が従来の政党に不満を抱いていること自体、珍しいことではない。ただ、今回調査で際立つのは、『X世代GenerationX』(1965~1980年生まれ)や、『ミレニアル世代』(1980~1995年生まれ)が年齢を重ねても政党を選ばず、無党派のままでいる点だ。これは、メガトレンドというべきものであり、彼らの多くが、今の政治システム、政府機関、二大政党制について、時代遅れで機能せず、あるいは極端な党派主義に偏っているとみなしている」
そして、こうした無党派層の増加は、ただちに来年の大統領選に重大な影響を及ぼすことは避けられない。