2024年4月15日(月)

プーチンのロシア

2023年7月27日

 6月23日のワグネル傭兵隊のプリゴジン隊長の反乱はプーチン大統領の統治力の薄弱さを暴露した。混乱したクレムリンが突然白日の下に晒された。

(ロイター/アフロ)

 なぜあれほど強力な治安組織がこの反乱を事前に察知できなかったのか?察知したが敢えて行動しなかったケースなのか?クレムリンの権力構造にどの亀裂がどの方向に走ったのか?

 明らかにプーチン大統領は虚を突かれたのだ。事件勃発直後、ショック状態に陥り、混乱し、怯えているようだったと評されている。

 大統領は威信を失墜し、「全能の支配者」ではなかったことをロシア国民と世界は知るに至った。俄然、国際論壇ではロシアの政権交代を予想する議論が増えた。国の崩壊を論ずる議論すらある(〝The West must now consider the possibility of a Russian political collapse〟 Analysis by Stephen Collinson, CNN June 26, 2023,)。

 大統領はいつどのようにクレムリンを去るのか?誰が次の大統領になるのか?そして一体ロシアはこれからどうなるのか?

 ロシアの著名なジャーナリストであるボリス・グロゾフスキー氏は米国のウイルソン・センターへの寄稿文で「プーチン大統領は弱体化し、国民は政権交代を望んでいる」と論じた。そして、ロシアのエリートたちはウクライナ戦を戦うより同僚エリートと争うほうが自分の利益だと考え始めたという(〝Putin, the Weak Strongman. Part I〟
Boris Grozovski June 30, 2023)。

 明らかにエリートたちは政権交代を視野に入れ始めた。

 そして次の権力構造に関してエリート間で合意が出来なければ、暴力的な国内紛争に発展し、治安部隊も介入する熾烈な闘争が始まるとされている。

第一次世界大戦時のウィルソン大統領を思い起こせ

 プリゴジンの乱を契機にロシアは突然混沌とした政治の季節に突入した。この緊迫する局面で、米国のロシア専門の著名な戦略家が一つの重要な提案を行った。もしかすると局面の打開に繋がるかもしれない。

 米国の戦略国際問題研究所(CSIS)欧露ユーラシア部長のマックス・バーグマン氏はフォーリン・アフェアーズ誌の最新号で、次のように論じた(〝Tell Russians Putin Has to Go〟 Foreign Affairs July 18, 2023 Max Bergmann)。「ロシアがプーチン大統領を交代させ、戦争を終わらせたら、ロシア自体は敗北と衰退に陥らないで、平和的に繁栄できる。このことをバイデン大統領がロシア人に保証するべきだ」と。


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