2024年4月15日(月)

バイデンのアメリカ

2023年7月17日

 激しい攻防が続くウクライナ戦争の趨勢が、来年米大統領選結果次第で劇的に変わるとの見方が、西側有識者の間で広がりつつある。とくに、ドナルド・トランプ候補が再選を果たした場合、ウクライナ側がたちまち苦境に陥るというものだ。

(ロイター/アフロ)

揺れる戦況

 米ワシントンポスト紙は去る6月30日、ウクライナが年末までに、ロシアとの停戦交渉に乗り出す戦略を立てている、と報じた。

 ウィリアム・バーンズ米中央情報局(CIA)長官が最近、ウクライナを極秘訪問、情報交換した際、同国政府当局から、①今秋までにロシア軍が占拠している領土のかなりの部分を奪回する、②ロシアが2014年以来、実効支配しているクリミア半島との境界ライン沿いに大口径火器・ミサイルシステムを配置する、③ウクライナ東部にさらに進軍する――ことなどを前提として有利な立場で交渉に入る考えを伝えられたという。

 同国高官の一人は、「ロシアは脅威に直面したときにのみ交渉に応じる」とバーンズ長官に語ったとも伝えた。

 西側軍事専門家の間でも、ロシアの民間軍事会社「ワクネル」指導者ゲリー・プリゴジン氏の反乱でロシア軍内部の混乱が露呈して以来、ウクライナにとっても大規模な反転攻勢を展開する上で追い風になっているとの見方が広がりつつある。

 しかし一方で、果たしてロシアのプーチン大統領がウクライナ側の思惑通り、実際に停戦交渉に応じるかどうか、疑問だ。

 その背景として、ウクライナ側が先月、反転攻勢に転じて以来、思ったほどの成果を挙げられず、いぜん苦戦を強いられており、米欧側の一部に苛立ちも見られることなどがある。

 このため、今後、ウクライナ側が交渉に乗り出す前提として軍事的優位に立つためには、米欧諸国からの武器増援が不可欠であり、ゼレンスキー大統領や軍関係者も、具体的に戦闘機、戦車、弾薬類など一層の提供に応じるよう呼び掛けている。

 とくに同大統領は去る6日、米CNNテレビとのインタビューで、反転攻勢が当初の予想よりはるかに遅れた理由として、西側諸国から提供されている兵器、弾薬類不足を挙げ、具体的に「今後、作戦を成功させるには、米軍F16戦闘機による空からの支援が不可欠」と強調した。


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